き-4
月曜日に連れて行ってもらったお店にまた連れて行ってくれて
おいしいご飯を食べさせてくれた。
こんな時間なのにOKなのね。
そもそもこんな最上階の奥のお店に一見さんは来ないかも。
お客さんはみんな常連さんという感じがした。
こんな時間でもウェルカムできちんとした食事を出してくれた。
ほんの少しお酒を飲んで手をつないでお店を出る。
「今度はみんなに紹介しろよ」
とマスターに笑いながら送り出され
ゆっくりいい気分で歩き出した。
のんびり10分も歩いたころ、高層マンションに入った。
「まさか、ここに住んでるの?」
「うん」
「ええ!こんなイイトコに住んでるの?」
確か石島さんの会社からもここは歩けるはず。
「残業が多くて11時前に帰ることはほとんどないから。
終電を逃すことも多いんだ。
休日も休出が多いからな。会社から近いところが便利なんだ」
「便利はいいけど・・・家賃がすごいでしょ?」
こんなところに住んでみたいけど。
家賃が出せない。