22章-1
「美冬が入れて?」
鏡哉のその言葉の意味が分かるまで、しばらくかかった。
(……えぇえええっ!?)
絶句した美冬のサイドの髪を取った鏡哉が、ゆっくりとそれに口づけする。
さらりと音を立ててその髪を離すと今度は手を引かれ、指先にキスされた。
そんな壊れ物を扱うようなしぐさを見せながらも、鏡哉は美冬に求めたことを撤回しない。
「……どうしても?」
困り果てた顔で鏡哉にそう尋ねた美冬に、彼は頷く。
「美冬が頑張って入れているところ、見たい」
うっとりとした瞳でそんなとんでもないことをさらりと言われ、美冬は頬を薔薇色に染めた。
今日の鏡哉はとことん美冬にさせたいらしい。
美冬は乗っていた鏡哉の腹から腰を上げると、鏡哉の腰の上に膝立ちになった。
自分の下にそそり立つそれにくらりと眩暈がしそうだ。
なんといっても美冬は先ほど、それの大きさを手や口で確認したばかりなのだ。
少し腰を落とし、掌を鏡哉の腹筋に添える。
自分の蜜壺の入り口に鏡哉の切っ先が触れ、くちゅりと音がした。
そのままもう少し腰を落としてみたが、鏡哉のそれはつるんと逃げてしまう。
もう一度同じことをしてみるが、結果は同じだった。
中が疼く。
中途半端に弄られた体は、早く鏡哉のものが欲しいというように蠢き始めていた。
「手を添えて入れてごらん」
苦しそうな顔をした美冬に、鏡哉はそう言うだけで助けてはくれない。
「………っ」
言われた通り小さな掌を恐る恐る鏡哉の雄に添える。
パンパンに膨れ上がったそれは、とても硬かった。
自分の入り口にぴたりと合わせると、ゆっくり腰を下ろす。
すると先端の部分がつぷぷという音を立てて、中に飲み込まれた。
「んっ……」
自分の中をようやく満たしてくれたそれに、美冬の細い喉がなる。
徐々に腰を落としていくと、中が無理やりこじ開けられるような苦しさが募る。
鏡哉はいつもは何度も美冬をイかせ、ほぐしてから挿入してくるのに、今日はまだ一度も達していない中への挿入だった。
目を閉じて息を吐き出すと少し楽になり、美冬の中が少しずつ蠢き始めた。
ゆるゆると鏡哉の雄を締め付けるそれが、その大きさと硬さを脳に伝えてくる。
「ふ、ふぅう……んんっ」
甘い声を上げた美冬の蜜壺から、鏡哉のそれへ蜜がしたたり落ちていく。
もっと鏡哉を感じたくなり、次第に腰が落ちていく。
こつり。
残り1/5ほどまで挿入したとき、美冬の最奥を鏡哉の切っ先が捉えた。
ずっと疼いていたそこを擦られ、美冬の口から声が漏れる。
「や、やぁん、もう、無理――」
あと数センチ腰を落とすのが怖かった。
もう最奥を満たしているのに全てを受け入れてしまったら、どうなるのか分からなかった。
美冬の瞳から生理的な涙が零れる。
涙が頬を伝い、鏡哉の腹筋にぱたりと落ちる。
それに気づいた鏡哉が腕を伸ばし、俯いていた美冬の顎を掴んで上げた。
長い髪に隠れていた美冬の顔が露わになる。
その瞳は涙を湛えて潤み、目の下は朱に染まり、小さく開かれた唇からは小さな喘ぎが漏れるたび、ちろちろと誘うように赤い舌が見えていた。
鏡哉の雄がずくんと大きく脈打つ。
「美冬」
そう名を呼ばれ美冬が鏡哉を見つめ返した瞬間、
ぐぷりと卑猥な水音をさせ、鏡哉が美冬の腰を掴み最後まで腰を落とさせた。
「―――っ!!」
美冬の小さな尻が鏡哉の腰を捉える。
最奥の子宮を鏡哉の切っ先がずぐりと擦り、押し上げた。
喉から内臓が飛び出てしまうのではないかと思うほどの苦しさが美冬を貫く。
「あっ、あ、はっ」
美冬が苦しそうな声を上げて、背を仰け反らせる。
そうすると余計に鏡哉のものを奥で受け入れることになり、美冬は瞳を見開いた。
「かはっ、は、はぁっ」
美冬のあまりに苦しそうな声に、鏡哉がその腰を上に持ち上げた。
「美冬のここはまだ小さいんだな。ごめんね、今気持ちよくさせてあげるから」
鏡哉からのその言葉で、美冬はこの体位から解放されるのだと安堵の溜息を洩らした。
しかし鏡哉は自分の腹筋に手をついて耐えている美冬に腕を伸ばし、その秘芯を弄り始めただけだった。
くにくにと指の腹で潰されると、美冬の中がその気持ちよさに反応して鏡哉のものを擦り始める。
充血した媚肉が次々と蜜を分泌し、徐々に快感が美冬を満たしていく。
「あ、あぁ……はぁん」
「凄いよ美冬の中。私のモノを扱き上げて、どんどん蜜が溢れ出してくる」
そう言う鏡哉の声の中にも甘いものが混じってくる。