you〜現在進行中〜-1
今は国語の授業。
私は考え事をしながら外を見ていた。
『佐藤!!他の事を考えるな!!二年だからってたるんでるなよ。授業に集中しろ!!』
先生に注意されてしまった。
バイトでも考え事をしてしまいミスを連発し上司を怒らせてしまった…
私がこの日、何を考えていたのかというと昨日再会した【賢太】の事だった。
* * * *
――昨日――
私の高校は自宅から電車で30分の所にある。毎日電車で学校に通いその日もいつも通り電車で友達の恵里と帰った。
『じゃあ、また明日★』
恵里は私の降りる二駅前の駅で降りる。
「うん♪また明日〜」
恵里が降り私は一人でボーっとしていた。ふと隣の車両を見た私は信じられなかった。賢太がいる…
賢太は私の一コ下の後輩で中学を卒業するまで気になっていた人だ。
久しぶりに見た賢太は変わっていなかった。胸が高鳴っている…
賢太は次の駅で降りてしまった。まだ胸が高鳴っている。賢太の顔が浮かんでくる…
* * * *
一日経った今も賢太の事ばかり考えて何も手につかない。
『佐藤さん、明日は今日のようにミスばかりしないように!!』
店長に喝を入れられ今日のバイトは終わった。
私のバイト先は家から一駅の賢太が降りる駅の近くにある。
電車が来た。
降りる人の中になんと…賢太がいた。
心臓がバクバクしている。
下を向きながら私は電車に乗ってしまった。
私は電車の中で一人喜びながら目も見ず通り過ぎた事を後悔した。
その次の日もまたその次の日も電車で賢太を見る事はなかった。
目を閉じて浮かんでくるのは賢太。その度ドキドキする。
…そしてまた今日も私は電車の中を見渡す。
あなたに会いたくて…
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