17章-2
元気のなさそうに見える美冬に、鏡哉は微笑む。
「これからどうする? デートでもするか?」
それは驚きの提案だった。
あんなに美冬を外に出したがらない鏡哉からのお誘い。
いつもの美冬なら嬉々として飛びついただろう。
しかし美冬は鏡哉の胸に顔を埋め、ふるふると首を振った。
「おうち、かえる」
まるで幼児のようにそう答えた美冬を、鏡哉は墓参りをしてナーバスになったと取ったのだろう、もう一度頭を撫で、手を引いて車へと戻った。