12章-1
美冬は目を覚ますと、リビングのソファーの上に横たわっていた。
そこから見える外の景色は、もう夜のものだった。
「わたし……?」
自分の置かれている状況が把握できず、美冬は上半身を起こす。
さらり。
明らかに制服とは違う肌触りの服に目を向けると、それは誕生日に鏡哉からプレゼントされたシルクのワンピースだった。
どこからかシャンプーの香りがし、自分の長い髪をクンクンと嗅いでみると自分の香りだった。
意識を失っている間に鏡哉にお風呂に入れられたのだと思うと、さっと頬が火照る。
後ろに人の気配を感じたと思うと、ふわりと後ろから抱きすくめられた。
「気が付いた?」
鏡哉の優しい声が鼓膜を震わす。
まるで恋人にするように抱擁され、美冬は訳が分からなくなる。
「き、鏡哉さ――」
呼びかける美冬を遮るように、鏡哉が口を開く。
「お腹空いただろう? 美冬ちゃんの好きなリゾット作ったよ」
耳をペロリと舐められ、美冬の華奢な体がぴくんと震える。
「んっ」
「美冬ちゃんは食いしん坊だから、一杯食べなさい」
そう言って体を離した鏡哉に、美冬はばっと起き上がった。しかし、
くにゃり。
美冬の足は言うことを聞かず、絨毯敷きの床に崩れ落ちる。
「ああ、駄目だよ無理しちゃ」
鏡哉はくすりと笑って美冬の体を抱き起し、ソファーに座りなおらせる。
鏡哉が美冬の耳元に顔を寄せる。
「あんなに何度もイったんだ。立てるわけないだろう?」
艶っぽい声に美冬の背筋がぶるりと反応する。
真っ赤になった美冬を、鏡哉はさも面白そうに見つめる。
「わ、私、帰ります!」
ソファーの上で後ずさりする美冬に、鏡哉がまたくすりと笑う。
「何言っているんだ美冬、君の家はここじゃないか」
「何、言ってっ!!」
鏡哉の意味の分からない発言に、美冬はまじまじと鏡哉の顔を見つめなおす。
その表情はまるで言うことを聞かない我儘な子供に、噛んで言い含める大人の表情だった。
「………」
美冬は絶句して、固まった。
その美冬の両手をさっと拘束した鏡哉は、シャツの胸ポケットに入れていた深紅のベルベットのリボンをその腕に巻いて拘束した。
「や、鏡哉さん! 何を!」
「君の肌の色に映える様に選んだんだ。奇麗だろう――?」
美冬の体ががくがくと震えだす。
「悪い子にはお仕置きをするしかないね」
その微笑が壮絶に美しすぎて、美冬は目を見開いた。
(く、狂っている――)
鏡哉から少しでも遠くに離れたかった。
お尻を使ってゆっくりと後ずさる。
こぽり。
音を立てて美冬の中心から何かが零れ落ちた。
「………っ!?」
その音に気付いた鏡哉がにっこりと笑う。
「ああ、私の物が溢れてきたんだね。さっきジャグジーでいっぱい注ぎ込んであげたから――」
その言葉に、美冬の血の気が引いた。
前回生理が終わったのはいつだったか、排卵日は生理後何日目だったか、そんなことが小さな頭の中を駆け巡る。
その美冬の様子に、鏡哉がくつりと嗤いながらスカートを捲った。
美冬の白い太ももと、下着をつけていない濡れた下半身が露わになる。
「よおく掻き混ぜたら、子供できるかな」
鏡哉はそう言いながら美冬の力の入らない足を割り開き、白濁を纏ったそこに2本指を差し込んだ。
「や、やあっ……」
あまりの恐ろしさに美冬の体が瘧(おこり)にかかったようにぶるぶると震える。
その体を撫でさすりながら、鏡哉は美冬の胎内をゆっくりと擦り始めた。
鏡哉の卑猥な指の動きに美冬の体にはすぐに火がついていく。
「だ、だめっ! やめてっ……あぁ」
そう口では抵抗しても、美冬のそこはびくびくと物欲しそうにひくつく。
「ああ、気持ちよさそうだね。どんどん透明な蜜が溢れてくる」
気が付くと鏡哉が自分の指を差し込んだ周りを、ぴちゃぴと音を立てながら舐めあげていた。
「や、やぁ……あん」
「わかるかい? ここに私の指が入っているんだ」
鏡哉はそう言って言葉で美冬をいたぶると、指の抜き差しのスピードを速めた。
クリトリスをきゅきゅっと唇に挟まれ、吸い上げられる。
「ひゃうんっ! ひ、あ、あ……っ!!」
美冬の中が鏡哉の指をぎゅうぎゅうと締め付け、知りたくもないのにその指の形を脳裏に焼き付けてくる。
「ほら、イきなさい」
そう鏡哉に命令され、美冬はとうとう達してしまった。