‘剣’と‘魔法’の世界〜まほうつかい〜-2
1
(え・・・?)
まほうつかいまで、あと数歩というところ。
かくん、と膝の力がぬけて。
私は、尻もちをつくようにへたりこんでしまった。
(なんで…?からだ、熱い・・・)
「あはっ、引っかかった…♪」
ぼんやりと、足下が光をはなっている。よく見ると、なにか幾何学的な模様が浮かびあがっていた。
(ぇ…ぁ・・・っ)
薄桃色の光を浴びていると、だんだんいやらしい気持ちがうずまいてくる。でも足の力は完全にぬけてしまって、魔法陣から脱けだせない。
(ぁ、ぁ、ぁ・・・・っ)
そのいやらしい気持ちが、どんどん身体の、下のほうへと集まっていく。
「わぁ・・・」
私を見ていたまほうつかいが、驚きと、喜びの交じった声をあげた。
それにつられて、私も自分のアソコを見下ろす――
(っ・・・・)
さわってもいないペニスが、むっくり起きあがってしまっていた。
「催淫魔法にかかったからって、いくらなんでも節操なさすぎじゃない…?」
しげしげとペニスを見つめながら、まほうつかいの女の子がつぶやく。それを聞いて、私は耳まで赤くなってしまう。
「アンタ、よっぽど溜まってるのね。――じゃ、さっそくオナニーして見せて?」
その宣告に、私は耳を疑った。‘戦闘’中にオナニーなんて、そんなことするわけない。
おもわず、まほうつかいの顔を見上げてしまう。
「ほら・・・‘オナニーして’?」
そんな私をじっと見つめて、まほうつかいが言い放つ。
その言霊は、耳から直接脳に染みこんで、身体を勝手に動かしはじめた。
(ぇ…そん、な・・・ぁ、ぁ、ぁ・・・!)
膝立ちでへたりこんだまま、手は勝手におちんちんを包んで、上下にしごきはじめてしまう。
(あっ・・・なんで…っ、いつもより、きもちぃ…っ♪)
操られた手は、ただただ器械みたいにペニスをしごき上げる。それなのに、しごくたびに気もちよさが突き抜けて、私は鼻にかかった声をあげてしまう。
(あはぁっ・・・なんで…っ?これ、すごいぃ…!)
「スゴいでしょ〜?感度マックスおちんちんでオナニー♪アンタ、よくもってる方だよ?」
膝立ちでもいられなくなって、空いた方の手を地面につく。でもペニスをしごく手は止まらないから、四つん這いのままオナニーをつづけてしまう。
(ぁっ、ぁっ・・・あ、あ、あ、あっ…!)
しごくたびに、くちゅくちゅと粘った音がひびく。天然のローションが手のひらに絡みついて、私はどんどん絶頂に追いやられていく。
(イっちゃ、ダメっ・・・だめ、なのぉっ…!)
押し流されそうな意識の中、私は必死で射精をこらえる。
魔法陣から出られさえすれば、きっと気持ちも落ち着くはず。四つん這いになれたんだから、このままなんとか、這い出さなきゃ――
「アレ?本当にがんばるね・・・あ、そっか!命令の仕方が悪かったんだ♪」
地面にうずくまる私のあごを、細い指がついとすくい上げる――少女の宝石みたいな紅い瞳(め)に、私はまた囚われてしまう。
「‘いつもやってるみたいに’、‘一番気持ちいいやり方で’、‘イくまでしごいて’。」
(ぇ・・・・)
絶望的な命令。でも私の身体は、その言いつけに忠実にしたがってしまう…。