結局ファミレス-3
『…マジでなんなん?』
『だからー…』
『その顔!ヘロヘロした顔が反省してへんやろ』
思わずテーブルを叩く。
『お前なぁ…そんな怒鳴るな。目立つ』
『あんたのその格好が目立っとるんじゃ!』
深夜のファミレスで怒鳴り散らす。
あたしは、彼があたしに何をしようとしていたか分かっていた。
でも、そこに愛はない。
キスだけで止められたのは成功と言ってもいいだろう。
『…もぅええから、はよ家帰り。帰り待ってんねやろ。あんたと話しても発展ないわ』
全て嫌になったあたしはタバコに火をつけ、吐き出した。
『お前も旦那待ってんじゃねぇの』
彼も変わらないタバコをくわえた。
『あの人今日夜勤やねん。でも、もぅ帰らんと』
長いままの煙草を押しつぶし、席を立った。彼の顔は見ずに。
『待てよ!俺…お前の事…』
『ちょ、待てや』
あたしは席に戻って彼に言った。
『そんなでかい声で言わんといて。つーか、信じられへんし、あんたもあたしも既婚者なわけ。分かるやろ?後は何があかんかあそこにおる2人に聞いたらええわ』
深夜のファミレス。
窓席に座る若い2人。
灰皿がタバコに埋まっていて、ビールのジョッキがなん本か置いてある。
女の子はあたしと同じくらいか…
そぅ思って店を出た。