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結局ファミレス
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結局ファミレス-2

『あんたが今してる事知っとる?誘拐やで?分かってんの』


ボリュームを全て落とし、彼に怒鳴りつける。

『そんな大した事してねぇよ』

『そういう問題ちゃうやろ!あんた何も変わってへんな。最悪や。奥さんも子供も可哀想やわ』


彼があたしの顔を驚いた顔で見る。


『知ってんねんで。あたしと別れた後にすぐ浮気相手と結婚した事くらい。なんであんたそうなん?こんなんどっちが浮気相手かわからへんわ。いつまでフラフラしてんねん』



『…お前は変わったな。昔は俺にそんな口叩かなかったのにな。あと、昔より全然可愛くなった』



公園の広い駐車場。
外はすでに暗くて人がいない。
彼が車を停めてあたしを見た。


『うん、可愛い』


笑う彼の頬をめがけて平手を飛ばす。


この口のうまさでどれだけの人が傷付いたなんて今は考えたくなかった。
ただ、今目の前にいる彼はあの頃と変わってなくて、そうやっていつも別れようとするあたしの気持ちを揺るがした。


その平手が彼の元に行くことはなかった。
寸前で止められ、ますますあたしは怒りが倍増する。


『離せや』

『お前さぁ、その関西弁なんとかなんねぇの?あの頃はそんなんじゃなかっただろ』

笑いながら、あたしの腕を掴んではなさない彼があたしは大嫌い。

『旦那のが移ったんやから仕方ないやん。ってか、離して!』



そぅ叫ぶあたしを上から見下ろす彼。


もぅ嫌や…



涙が溢れてくるのを止める事も出来ずにいた。


『…今のすげームカついた』


妙に声が低い彼を見上げた。
顔を上げた瞬間、彼があたしの唇を塞いだ。


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