それぞれの思惑-7
真琴は一瞬、ブルンと身震いした。
「どうした? 真琴には少々刺激がキツすぎたか」
龍也は面白そうに真琴の顔を覗き込んだ。
「黙ってろ! それよりオマエ、ちょっと部屋の外を見張ってろ。 客が帰ってくるかも知れないだろ」
「ああ、分かったよ。 ちょっと下がってるよ。 ルールだからな。 オレはお前らの会話に口は挟めねえ。 ただし10分間だぞ。」
「・・フン。 話せるヤツで良かったよ」
部屋の真ん中はSMを行うステージになっている。 ステージといっても一段高くなっているわけでも無い。ただ、床は水で流せるようタイル張りになっており、あちこちに拘束具などを留めるためのボルト穴が多く開けてある。
そして薄暗いステージの中心には、まんぐり返しの姿勢で四肢を縛り付けられた女性の姿が赤く浮かび上がっていた。
「サヨ姉さん・・?」
真琴は、その女性の傍らへ小走りに近寄ると、彼女の顔を覗き込んだ。
「な・・ 何!? ペニスの・・タトゥ!」
なんと、先端から白濁液を滴らせた男性の陰茎が、何本もうねり、のたうち回る図柄が、赤、紫、青などの色調で毒々しく、禍々しく頬を彩っているではないか!
いや、よく見ると陰茎は首筋、腕、胸、腹・・ 太腿・・ 至るところを這いずり回っている・・ それはあまりにも異様な光景だった。
しかし、肢体は変わり果ててしまっていても、その顔形は間違いなく沙夜子だった。
真琴は、暫く言葉を失って呆然としていたが、気を取り直すと、近くに有った燭台のような電気スタンドを見つけ、スイッチを入れた。
今度は青白い光が点灯し、沙夜子をクッキリと映し出した。
その姿に、真琴はまたもや驚かされた。
マングリ返しのまま両脚を大きく開脚させられ、その姿勢が崩れないように両手両脚、胴、首などを、床に取り付けられたシャックルにロープでがっちり固定されている。
その状態で何度も何度もファックを受け、中出しされたのだろう。 アヌスもヴァギナも、半ば開き放しになり、中は泡立つ白い液体で満たされていた。
そして溢れた白濁液は、溢れ、流れた跡が尻や腿、腹などに幾条もの筋を作り、半乾きになっていた。
「サヨねえ! サヨねえ!」
真琴は、沙夜子の頬を平手でパチパチ叩き、耳元で名前を呼んだ。
「う・・ん・・」
真琴の呼びかけに反応した沙夜子だが、うっすらと開いた眼は虚空を漂い、視点が定まらないようだ。
「サヨねえ、マコだ! 分かる?!」
「マコ・・ よく来てくれたわね・・」
「くそ、あいつらサヨねえに随分非道いことしやがって! これじゃ体がもたないじゃんか・・」
「フフ、あたしなら大丈夫、マコ。 ・・それより、真奈美の様子はどうなのさ」
「ああ、真奈美なら心配ない。 もう、あの娘は獣姦が病みつきになってるよ。 なにせドーベルマンの兄弟に日替わりで相手させてるからね」
「ベロとベルかい? そいつはいい・・ 何年もトレーニングを積ませた自慢のレイプ犬だからね。 彼らの舌技とファッキングには、あたしも病みつきなんだ」
彼らとのプレイを思い出して感じたのか、一瞬沙夜子の体がブルッと震えた。
「・・それと、例の薬の効果はどうよ?」
「ああ、試しにあの娘に仕込んでみたところ・・効果は絶大だね。 それで彼らは、間違いなく発情するし、仕方もハンパないよ」
「ウフフ・・ どうやら成功したようだね」
「ああ、こちらは今のところ順調さ」
良い結果を報告出来たことに、真琴の顔はほころんでいた。
「一つ気になるのは・・ 相手の出方さ。 真奈美に近付く奴は特に注意おし。 このまま鬼塚相手に期限までやり過ごせるとは思えないねえ」
沙夜子は険しい顔で、真琴に忠告した。
「分かった。 細心の注意を払って見張ることにするよ・・」
と、その時だった。 龍也が絞った声で注意を促した。
「おい、客達が戻ってくるぞ!」
「わかった」
真琴は、部屋の灯りを消した。
「サヨねえ、また来る!」
そう言い残すと、真琴は龍也と共に部屋を出て行った。
・・・エレベーターが開くと、先ほどの男達が乗っていた。
「ヒック! ちょい酒が回ってきたかな」
「お前、喉が渇いたからって、休憩にしたんだぞ。 それを、がぶがぶビールばかり飲みやがって」
「トイレしたくなったら一人で行ってこいよ! オマエの分もオレ達が抜いとくよ」
「おいおい、トイレなら沙夜子がいるじゃんかよ! 肉便器がよ」
男達は各々勝手気ままに喋りながら部屋へと戻ってくる。
「沙夜子、待たせたなあ!」
「さあ、続きを始めようか」
「たっぷり可愛がってやるからよ」
三人は部屋のドアを閉めるのも忘れ、沙夜子のいる部屋の奥へと入っていった。
「さっきはケツだったからな。 次はオレがマンコだぜ」
「オーケー。 オレがケツな。」
二人の男は、互いに尻を向ける形で、天を向いた沙夜子の股間に長尺でイボだらけの怒張を沈めにかかった。
ギュブブブブ・・
「あっ・・! あくくっ・・」
二穴を同時に責められ、沙夜子の体がビクンと大きく波打った。
「ほれ沙夜子、口開けな。 今度はオレのを咥えろ」
すかざず三人目の男は沙夜子の頭に股間を密着させると、両手で後頭部を持ち上げ顎を反らせた。 そしてはポッカリ開いた沙夜子の口に、猛る怒張を無理やりねじ込んだ。
「ぐ・・うごッ! うぶぅ」
意識朦朧となった沙夜子に、男達が声をかける。
「沙夜子、動くぞ」
「いい声で鳴いてくれよ」
「そりゃ!」
ズチャ、ズチャ、ズチャ、ズチャ・・
程なく部屋中に秘肉が擦れ合う卑猥な音律の三重奏が響き渡った。