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真奈美の日記
【獣姦 官能小説】

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それぞれの思惑-2

(どうして・・? どうやってこの扉、開けたの?)

暫く考え込んでいた萌美は、ふと扉の鍵穴の奥が、ぼんやり光っているのに気が付いた。

(そういえば、真琴、ここを覗き込んでた・・)

萌美も覗き込もうと考えたが、思い留まった。 おそらく、これは認証システムだろう。 だとすれば、照合するのに登録が必要だが当然、萌美は認証登録などしたことがない。
うっかり覗き込んでシステムに網膜のパターンを読み取られては、後の憂いとなりかねない。

(そうだ・・工場は閉鎖されたけど、人が住んでるって噂を聞いたことがある・・ 真琴はこの工場で、いったい何をしてるんだろ・・)

あれこれ考えるうちに、悪い想像ばかりが膨らんでいく。 工場の怪しい噂、真琴の悪い噂・・ 真奈美は、何か悪いことに引きずり込まれたのではないか?
あるいは、酷い目に遭っているのでは・・
しかし、いくら待てども二人は出てきそうに無かった・・

・・やがて太陽の日差しは陰り、夏の夕日が辺りを赤く染め始めた。

(いくら何でも遅すぎる・・ あ、待てよっ! この建物、何も出入り口は一つじゃ無い! 別の所から出て行ったことも考えられるじゃないの!)

それに気付いた萌美は、しまったとばかりに怒りを滲ませて悔しがった。

(・・そうだ! とりあえず、まなみがここを出たことを確認しておこう)

ようやく気を取り直すと、萌美は真奈美の家へと向かって歩を進めた・・

・・ピンポーン

(あら、今頃いったい誰かしら?)

夕食の支度をしている最中で手が離せない。 芹沢礼子はキッチンに掛けてあったドアホンを手に取ると、モニターで誰が来たのか確認した。
モニターに写った人物は、ぱっつん前髪のロングヘア、つぶらな瞳が可愛い真奈美の親友、幾久萌美だった。

「はい、芹沢です」

ドアホンのスピーカーから、真奈美の母親の、滑舌の良い引き締まった声が響く。 萌美は、少しオドオドしながら声を出した。

「あのぉ・・」

「ああ、メグちゃんね。 ちょっと待ってて。 真奈美! 真奈美!」

礼子はドアホンを離すと、風呂場に向かって何度か大声で真奈美を呼んだ。

「はーい・・」

いつもと変わらない真奈美の声が、風呂場から聞こえた。

「メグちゃん来てるわよ! いつまで入ってるの? 上がってきなさい」

「え! メグが? うーん、もう10分くらい待ってって言っといてー・・」

「もう! ・・仕方ないわね」

慌てて玄関に回ると、礼子は表のドアを開け、玄関の前で立っていた萌美を中に招き入れようとした。

「ごめんなさい、真奈美、今お風呂に入ってるのよ。 10分ぐらいで上がるから、それまで中で待っていてちょうだい」

「え! まなみちゃん、居るんですか」

風呂に入っていると聞いて萌美は安堵の溜息をついた。

「それならいいんです、 あの、ちょっと近くを通ったから、声かけてみようかなって・・ また、明日会えるからいいです」

「あらそうなの? メグちゃん、真奈美と何かあったの」

「い、いえいえ、なんでもありません。 し、失礼しました、また明日学校で、って伝えて下さい・・」

礼子の勘の鋭い問いかけに、一瞬ドキリとした萌美だったが、何事も無かったようにニッコリ笑って答えた。
そして帰ろうとし萌美だったが、その瞬間、ふと思い出したようにカバンの中を探った。

「あ、そうだ、これ・・」

「なあに、メグちゃん」

「あ、あの・・ ノートです・・ しばらく借りてたので、返さないと、って思いまして」

「あら、そうなの。 じゃ、後で真奈美に渡しておくわね」

「はい、ありがとうございます。 ・・それでは失礼します」

そう言うと、萌美はそそくさと芹沢宅を後にした。

(よかった。 まなみ、帰ってた・・ やっぱり他の出入り口から、出て行ったのね)

・・ジャリッ・・

突然、萌美は足を止めた。 そして、少し不安で険しい表情になった。

(やっぱり、あたしを・・ 避けたのね・・ そういうことなのね・・)


−それから数日後・・

今日は、期末試験の結果発表日だ。
明美は、憂鬱な一日を真奈美と共有し合い、二人で気晴らしにゲームセンターやコンビニを巡り、最後は近隣公園を散歩して帰るのを楽しみにしていた。

試験の結果は、成績表として各科目毎に学年順位や偏差値が算出される。 しかしそれらは個人に通知されるが公表されることは無い。
しかし、受け取った瞬間の表情や仕草で、その生徒のおおよその成績が想像できてしまうこともある。

担任の平山沙織は、出席番号順に成績表を生徒に配っていく。

「芹沢さん! 芹沢真奈美さん!」

「はーいっ!」

名前を呼ばれた真奈美は、元気に答えて成績表を受け取った。 そして、折りたたまれた紙面を恐る恐る開いた。

(げっ、赤点が4つも・・)

その表情を目敏く伺っていた萌美は、真奈美の成績が余り芳しくないことを悟った。

席に戻って来た真奈美は、萌美に小声で報告した。

「メグ、ダメだったよ・・ お母さんに、どう言えばいいかな・・」

(やっぱり・・ 試験中も居眠りするくらいだったもの、これで成績が良いはずないわ)

予想していたとはいえ、返す言葉も思いつかない。 萌美は、とにかく真奈美を慰めようと、気晴らしを提案した。

「まなみぃ、メグもダメだったよ。 一緒だね。 放課後は、気晴らしコースで盛り上がろ!」

「えへへ・・ いいよ、メグ。 慰めてもらわなくても大丈夫だよ」

そう言うと、今まで誰にも見せたことの無い成績表を、いとも簡単に萌美の眼前に広げて見せた。

「えっ!・・ まなみぃ、実は良い成績だったりして!?」


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