終章-1
【終章】
千尋のクラスは、千尋の結婚騒動が切欠で、白石先生を中心に今までにない程に纏まったクラスになった。本来ならば目立つ者同士、目立たない者同士に別れるはずの思春期なのに、千尋のクラスはその垣根を越えた一体感があった。
その後、纏まったクラスは白石先生が提唱した町のボランティア活動にも参加し、その年の終わりに市長から感謝状を貰った。
結婚騒動はまた別の効果をももたらせた。千尋のクラスのカップルの成立する率が、他のクラスより、グンを抜いてたそうだ。
それと、もう一つ。
結婚式の日、オレの後輩と白石先生が意気投合し、来年のオレ達の結婚記念日に結婚式を挙げることになった。同じ日にするのは、キューピットであるオレ達の仲の良さに肖りたいそうだ。これで焼餅を妬く千尋から腕を抓られることもなくなりそうだ。主賓として招かれていたが、器じゃないので、友人ということで了解を得た。
―2年後―
「先生の赤ちゃん可愛かったね〜」
山代(旧姓白石)先生に子供が産まれた。この日は早速、2人揃って産院にお見舞いに行ってきた。
幸せオーラ満開の山代先生に抱っこされる赤ん坊の姿を見て、千尋が産まれた時のことを思い出した。その千尋が今ではオレの愛する妻だと思うと、何だか感慨深かった。
「ああ、可愛かったな。あの子は先生に似て美人になるぞ。楽しみだな」
「もう!またそんなことばっかり言って!」
「いてて!」
腕に激痛が走った。結局、白石先生が山代先生になっても、2人の間では時折この儀式は行われ続けていた。
「ねえねえ、浩太にい、あたしもそろそろ赤ちゃんが欲しいよう」
「何言ってんだよ。卒業まで4ヵ月もあるじゃないか」
「だから、生むのは卒業後なんだから、もういいんじゃない」
「体育はどうするんだ?」
「残りの授業くらい、見学で大丈夫だって」
千尋の大学進学も検討したが、当の千尋は早く子供を欲しがって進学はしないことになった。夢の中に知子と慎吾が出て来て、早く孫の顔を見せろとせっつくそうだ。
本当に千尋は夢に影響されるヤツだ。
「じゃあ、するか」
「うん、今日だったら絶対に命中するよ」
「どうして?」
「だってお母さんが言ったんだもん♪」
本当に夢に影響されるヤツだ。そう言えば、昨日のオレの夢もそんな夢だったかなあ。
まあ、それもいいかな。幸せそうな千尋を見てそう思った。
「浩太にい、来て…」
全裸の千尋が足を開いてオレを誘った。その中心にある卑猥な割れ目を隠す陰毛はない。何故か一瞬浮かんだ慎吾の苦々しげな表情を無視し、その魅力的で卑猥な光景にオレの下半身は一気に反応した。
千尋はその中身が見やすいように、自らの手で開いて見せた。その拍子に濡れやすい体質の女体は、その部分から大量の愛液が溢れさせ、シーツに染みを作った。
オレは前戯をするのももどかしく、何かに背中を押されるようにその卑猥な部分に突き立てた。
「あああああん、すごおおおおい、ああああん」
「な、なんだ…締め付けが…おかしい、早すぎ…うう、イクッ…」
「ああん、あたしもおおお、イク、イク、イクうううううううう」
(今よ!)(ほいきた!)
おしまい。
PS―卒業後―
「ねえねえ、今日の検診でわかったんだけど、双子ちゃん達って男の子と女の子だって」
「本当か!それは楽しみだなあ」
「うん♪」
千尋は嬉しそうに頷くと、お腹をさすりながらまだ見ぬ子供達に声を掛けた。
「お〜い、双子ちゃん達聞いてるかあ?今度は反対にあたしの子供として生まれるんだよ」
ん!今度は?妄想かな…