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そして16年目の恋模様(クラス1-AB)
【女性向け 官能小説】

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友人として、そして岳父としての願い-4

「まだ根に持ってやがったとはしつこい奴だ。そんなのは時効だよ。これは今の話だ。娘を取られる親は10発以上殴る権利が有る。未成年なら更に倍だ。それを1発に負けてやろうと言ってるんだ。それよりなにか?お前はオレに殴られるのが怖いのか?昔から根性無しだったからな」

「お前、千尋の前で言うに事欠いて根性無しとはどういうことだ」

「じゃあ根性の有るとこを千尋に見せてやれよ」

千尋を前にして、慎吾の挑発にオレは乗った。

「ああ、見せてやるよ。お前のへなちょこパンチは昔も全く効かなかったからな」

2人のやり取りを見ていた千尋が、呆れ返って言った。

「2人ともバカじゃない。そんなの見せられて、あたしにどうしろって言うの」

「いいんだ。これは慎吾とオレのケジメだ」

「そうだ、千尋は黙ってろ」

「ホントにバカ!あたしは知らないから勝手にバカ同志やってなさい。マジでバカバカしくて見てらんないから、あたしがお茶を買ってくる間にやってなさいよ!バカー!」

千尋は怒鳴ると、プイとそっぽを向いて病室を出ていった。

それを見送った男2人が、ばつの悪そうな顔を見合わせた。

「おい、怒らせたぞ。ああ成った千尋はしつこいぞ」

オレは戸惑い気味に慎吾に言った。

「ああ、知ってるよ。まあ、なんだ。浩太、ちょっと顔を近づけろ」

同じく戸惑い気味の慎吾が、変な空気を払うように言ったので、素直に従った。

「何だよ」

「お前が怪我をして千尋が心配したら可哀想だ。だからこれで許してやる」

慎吾はそう言って、差し出したオレの頭に、ビシッとデコぴんを決めた。

「いってーーっ!」

高校時代から、効きすぎると定評のある慎吾のデコぴんに、オレの頭は一瞬クラクラした。

ふと視線を感じ、そちらを見ると、病室の外から様子を窺っていた千尋の姿が目に付いた。

千尋が安堵の表情を浮かべなが、お茶を買いに行くのをオレは見送った。

「いい娘だろう」

同じく千尋を見送った慎吾がしみじみと言った。

「ああ、いい娘だ。お前の娘とは思えない」

オレもしみじみと言った。

「ところで、お前に一つ聞いておきたいことがある」

わだかまりが取れたのか、慎吾がガラリと声のトーンを変えて聞いてきた。

「何だよ?」

オレは少し構えて聞き返した。まあ、多少のわがままは付き合ってやるか。

「お前、昔から知子のことが好きだっただろう」

「何だって!」

オレはその突然の指摘に驚いた。

「今の浩太が千尋を見る目は、昔から知子を見る目と同じだったからな」

「ほ、本当か?」

自分が今、千尋をどんな目で見ていたかなんてわからなかった。そんなオレを慎吾の視線がマジマジと見据えてきた。

「気付いていたのか…」

ひた隠しにしていた想いが気付かれていたと思うと、一気に血の気が引いた。

「嘘だよ。千尋のことを好きになったと聞いて、その可能性を考えてみた。何しろ考える時間は一杯あるからな。それにお前が付き合う女たちは、どれも知子に似ていたからカマを掛けてみた。それが図星だったとはな」

軽蔑したように見据える目に、どう対応していいかもわからず、また、視線を反らすのも気が引けて、暫くその目を見返すしかなかった。

しかし、こんな拷問のような試練には、到底我慢できない。開き直ったオレはふうっと息を吐いた。

「すまん。高校の頃から知子はオレのオナペットだ」

「何だと!オレの知子を汚しやがって」

「安心しろ。もう、汚すことはない。もうオレにはその必要が無いしな」

「バカ、当たり前だ!開き直りやがって。しかし、オレはこんな変態野郎に、千尋を託して本当に大丈夫なのだろうか」

慎吾がさっきより強い目でオレを睨んだ。



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