浴室での戯れ-1
【浴室での戯れ】
びしょ濡れのまま帰宅した。
幾ら夏場だと言っても、このままでは確実に風邪を引いてしまう。2人揃って風呂に入ることにした。
脱衣場で、いざ裸になると、さっきと違って千尋は恥ずかしがった。
「どうした?さっきは『見て見て』って感じだったぞ」
「だって、さっきは勢いで裸になったんだもん」
胸と股間を隠した千尋が、むくれたように背中を向けた。
オレがその千尋の背中からそっと抱きつくと、千尋は身体を少し捻り、顔をこちらに向けて目を閉じた。
オレが唇を重ねると、それを合図に千尋はクルリこちらに向き直った。
半開きの唇に舌を入れても、今度は邪魔をする声は聞こえない。2人は貪るようなディープキスを脱衣場で堪能した。
「くちゅん!」
千尋の可愛いくしゃみで中断するまで、2人の熱いキスは続いた。
「早く入ろう、本当に風邪を引くぞ」
慌てた2人は浴室に入ると、ざっと体の汚れを流して、浴槽に飛び込んだ。
狭い浴槽、2人が入るには同じ向きで前後に並ばなければ入れない。阿吽の呼吸で千尋が前でオレが後ろになった。
「あったかーい♪」
千尋は後ろを振り向いて、幸せそうに笑った。
その顔にまたキスをした。
「えへへ、3回目♪でも、ファーストキスがお墓で、その次が脱衣場だなんて、メルヘンじゃないなあ」
やはり気にしてたか。
「何を言ってるんだ。ファーストキスをすっ飛ばして、千尋はここでフェラチオをしたんだぞ」
「ああん、言わないでえ」
瞬時に耳朶まで真っ赤にした千尋が、恥ずかしげに顔を覆った。
「責任を取ってもらうからな」
「えっ?」
驚いた顔の千尋がまたこちらを振り向いた。本当に表情豊かな娘だな。
「ほら、これこれ」
オレは千尋の背中にそれをツンツンと押し付けた。
「やだ、さっきから背中に当たってたのは、やっぱりそれだったの」
千尋は慌てて、身体を前に逃がした。
「逃げるな。さっきの続きをするぞ」
オレは、千尋の前にそれが来るように、立ち上がった。
「もう、やだあ…」
目の前にそそり勃つモノを見て、千尋は再び顔を覆った。
「さっきは自分から咥えてきたじゃないか」
「だから勢いなんだってばあ」
もう遠慮はしない。オレは顔を覆った千尋の手を取ると、自分の肉棒を握らせた。それで観念したのか、千尋はオレの肉棒に顔を近付けると、それが収まるように口を開けた。千尋の口がそれに触れるか触れないかというギリギリの所で、オレは声を出した。
「ストップ!」
オレの制止に千尋の動きが、ピタリと止まった。
「もう、折角覚悟を決めたのに、今度は何?」
「だからだよ。折角だから、さっきみたいに言ってくれないかな」
「さっきって?」
一瞬キョトンとした千尋だったが、突然その可愛い顔が歪んだ。オレが何を求めてるかを理解したようだ。
「浩太にいのイジワル。わかったわよ、言えばいいんでしょ、言えば」
16年の付き合いは伊達じゃない。気を取り直した千尋は、オレのモノを握ったまま見上げると、にっこりと微笑んだ。
「あたしが浩太にいを気持ちよくしてあげる」
千尋は男心を擽るように、上目遣いでそう言うと、可愛い口を開けてオレのモノを含んだ。
亀頭の先が温かく包まれた瞬間、オレはそれだけでピクリと体を震わせた。しかし、さっきと同様に、その続きは未体験の16歳にはわからなかったようだ。