不思議な初デート!-3
「…ごめん…梓、桜、梢…」
「何で謝るのさ?」
「え、だって俺がお化け屋敷に誘ったから…」
「いいよ。確かに怖かったけど、アタシ達は知広がついててくれたから。ね、梢、桜?」
「はい…わたしも怖かったけれど、知広さんが側にいてくれてうれしかった……」
「そうだぞ。それに、こんなに暗くなるまで私達を看てくれてたじゃないか?」
「それに、気絶したのはアタシ達なんだし…」
「そうか…ありがとな…」
そのみんなの笑顔に何だか救われたような気がした。
「梓……」
「………」
しばらくの間、沈黙が流れる…
そして、どちらからともなく顔が近付き、唇が重なる…
一体どれほどの時間が過ぎたんだろう。一分か、十分か、または一時間だろうか?
その長い、長いキスも終わり、お互いの顔を見る。
夕日とキスのために紅くなっている梓の顔はとても綺麗だった。
「なあ…知広。」
「な、何だ?」
思わず声がうわずってしまった。
「あのさ…き、キスをさ…桜と梢にもしてあげて……」
「わ、わかった。」
その後、二人とキスをして帰路に就いた。告白と同様に不思議な光景だっただろう。
「なあ、梓。」
「何だ知広?」
「これからも一緒にいような…」
「うん!」
「…なんか、梓ばっかりでずるいな…」
「梢!そんな事ないだろ?」
「…梓さんばかり構わないで下さい……」
「桜も?みんな好きだって!」
「じゃあ、それは今から証明してよ♪」
「どうやって?」
「ふふ、それは……」
「「「もう一度キスして!」」」
やっぱり、この三人一筋縄ではいかないようだ。
しょうがないな……
ん?まだいたのか?あのさ、期待してるとこ悪いんだけど人がいると恥ずかしいから、もう行ってくれない?梓達も待ってるし。
それじゃ、また会う時まで…