プロローグ-1
「おーい、そろそろ、行くぞ!」
「は〜い。今日の帰りは?」
濡れた手をエプロンで拭きながら小走りで夫が待つ玄関に向いながら、返すと
「遅くなる。行ってくる。」
「はーい。いってらっしゃい」
ある梅雨前の晴れ渡り、初夏を思わせる暑い平日の朝、素っ気なく話す夫、浩平を見送る高木美佐子は専業主婦だった。
「ちょっとお母さん、私のピンクの靴下は?」
「タンスにはいってるでしょう?」
自分の部屋で靴下を探す大学生になった娘が騒ぎだした
「母さん、俺のシャツは?長袖の方!」
「アイロンかけてハンガーに吊ってるでしょう?」
矢継ぎ早に高校の息子が続く
福岡市内の一軒家、高木家の朝のいつもの喧騒の中、美佐子は息子の弁当を用意していた。
次は忙しそうに娘が台所にやって来た
「じゃ、行ってくるね」
「また、そんな短いスカート履いて…」
「こんなの普通よ。行ってきます」
膝上15cmのスカートを見て注意すると娘は逃げるように出て行った。
続いて息子がやってきて弁当箱をカバンに詰めながら浩平と同じように素っ気なく言う
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
美佐子は玄関先まで見送り、門を閉じ、玄関ドアの鍵をかけ、ほっと息をついた。
自分の朝食用にパンをオーブントースターに入れてスイッチを入れた。
高木美佐子は先週、誕生日を迎え、42歳になった。
短大を卒業し、すぐに知り合った10歳上の浩平と22歳で結婚し、すぐに娘と息子を授かり、懸命に子育てし、そろそろ子供が手を離れたと思った時には40歳を過ぎていた。
テレビのワイドショーに映る芸能人の華やかな世界と対照的に平凡な生活にため息をついた。
「私の人生ってこんなものなのかしら…」
朝食の後片付けをし、洗濯機のスイッチを入れ、布団を干し、掃除機をかけ、洗濯物を干し終えると美佐子はすっかり汗ばんでいた。
シャワーを浴び、水分を拭いた後、裸のままタンスの引き出しを開けると下着が入っていて、紫のレース地でバラの刺繍がついたセットアップを取り出し身につけた。
姿見の前に立つと、鏡に写る下着姿のやや疲れた中年の主婦がいた。
雰囲気や顔立ちが同じ"美佐子"と名前がついた女優によく似ていると言われ、中学、高校、短大時はラブレターやメールをもらっていたが、結婚後はパタリとやみ、女優がテレビに出る機会が減り、似ていると言われることも段々なくなった。
身長は変わらず、162cmだが体重は54kgと増えていた。
92cmの昔から大きなバストは重力に負け、垂れてき始め、2人の子供に授乳した乳房は薄茶色の乳輪とその中心にある乳首は更に濃いこげ茶色だった。
63cmだったウエストは今では71cmと下腹にたるみが出ている。
96cmのヒップに結婚当初、浩平はキスの雨を降らせていたが最後のSEXはもう8年も前だった。
つけたばかりのブラをずらし、茶色の乳首を露出させるといつの間にか立っている。ショーツ越しにクレバスをなぞると湿り気を帯びているのを感じてクリを擦ると声が漏れる
「ううっ、あぁ・・」
8年間の鬱憤は美佐子にオナニーの楽しみをさずけた。
下着姿のまま、寝室に向い、パソコンの電源を入れた。
家事を終えた美佐子は日課をこなすようにオナニーのパートナーをチャットで探すため、とインターネットにアクセスした。
出会い系や不倫に興味があるものの、家庭が壊れる怖さと、一度経験すると関係が一度で済まなくなるだろうと思い、チャットでいやらしい会話をするまでにとどめていた。
「さて、今日は誰にどう抱かれようかしら…」
美佐子はチャットのパートナーを物色し始めた。