約束された人生-1
彼女に名前はない。そもそも、彼女は名前というものが何かも理解していないのであるが…
彼女の世界は物心がついた時から薄暗い部屋の小さなベットと味の変わらない食事と時折やってくる大人から与えられる機械的な苦痛と快楽が全てであった。
恐怖と苦痛でしかなかった大人たちの行為も日に日に苦痛は減り快楽は増していく。それは何も知らない彼女にとってはささやかな幸せであった。
「G220610214号は感度もいい感じになったな、そろそろ9歳か。来週には出荷だな…」
目隠しをさせられ、全身を拘束された状態で全身にローターや小型バイブ付けられ快楽に悶える彼女を見て、男はぽつりと言った。
彼女はその言葉の意味がわからなかったが、すぐにその言葉について考えるのをやめ、思考は快楽の海に流された。
2215年〜少子高齢化問題は日本等の多くの国は人種の絶滅に直面するほどの危機状態になっていた。
それに対し各国が打ち出した政策は種の徹底した管理。
すなわち一部の人権を剥奪し、子供の管理を全て国が行う。税として子供を国に収め、能力に応じた教育と仕事を国が振り分けることで、人口の調整から将来的な税収、経済状況に至るまでより計画的に行えるようにしたにである。
既にバイオ技術と電子技術は極みに達し、一部の細胞さえあれば的確な才能の鑑定が行えるようになったこの世界では、この管理方式はスムーズな適応を見せた。
G220610214号。この少女が見出された才能は性処理・性具であり、生まれた瞬間から性奴隷の人生が確定。9年間身体の教育を徹底して行われ9歳になって出荷されるところである。