Greenroom Talk-1
「どうだった? みんな」神父尊が微笑みながらコーヒーカップを手に取った。
「楽しかったです。っていうか、すっごく素敵な時間でした」龍が言った。
「でも、真雪はさ、」夏輝が恐る恐る訊いた。「龍くんじゃない人に抱かれることに、本当に、その、抵抗なんかなかったの? あの事件がまた甦ってきたりしなかった?」
「状況が全然違うよ。しゅうちゃんみたいにさ、お互いによく知り合ってる人に抱かれるのは、もう別の出来事だもん。それに龍だってあなたたちのことよく知ってるし、仲良しじゃない」
「そ、そうだね」
「しゅうちゃん、予想通り優しかった。あたしにずっと気を遣ってくれてたじゃない。それに、」真雪はいたずらっぽく笑いながら修平を見た。
修平は口に持っていきかけたカップを止めた。「な、何だよ……」
「意外にシャイだってことがわかったことは、新しい発見」
「修平より龍くんの方が、今回は激しかったね」夏輝が楽しそうに言った。
「ごめんなさい、夏輝さん」
「それも意外な一面」
「龍くんのご両親と真雪ちゃんのご両親も、今回の君たちのようにパートナーを交換して、時々繋がりあってるからね」神父尊が言った。
「遺伝ですかね」龍が言った。
「それがどろどろした関係にならないのは、きっとケンジさんたちがお互いを信頼しているからなんでしょうね」夏輝が言った。「本当に素敵な関係」
「そうだよな」修平も言った。「今度、ケンタたちを誘ってみるか? 夏輝」
夏輝は呆れたように口角を上げて修平に目を向けた。「調子に乗っちゃって。でも楽しそうだね」
「修平さんたちはまだいいとしてさ、」龍がおかしそうに言った。「俺たちがケン兄たちを誘ったら大変だよ」
「なんでだ?」
「だって、ケン兄と真雪だよ? 双子の兄弟で繋がるんだよ?」
「ケンジさんとマユミさんだって双子だろ? 二人はずっとアツアツだぞ。ちゃんと前例がある」
「どうなの? 真雪は」龍が真雪に顔を向けた。
真雪は頬をピンク色に染めた。「読者からのリクエストがあったら、抱かれてもいいかも」
「参りました」龍は頭を垂れた。そこにいた残りの四人は笑った。
――the End
2014,12,20
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