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私が結婚しない理由(わけ)
【理想の恋愛 恋愛小説】

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私が結婚しない理由(わけ)-5


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-36年前、渡井はここ接祖の駅で、駅員をしていたのだ。地元の進学校、県立泉津高校を卒業し、何か月かの研修の後、はじめて一人で駅員を任された。乗降客は山奥という事もあり、大変少なく、新人でも一人でまかせても大丈夫だろうと会社も判断したのだろう...。

渡井は接祖は山奥という地だし、当時アパート.貸家などこの駅近くにはなく、彼が独身ということもあり、会社側が賄い付き込みということで契約したこの旅館岩倉の二階の客間一室に下宿していた。

加奈子はその旅館岩倉の娘さんだった。当然毎日、彼女と顔を会わせる事になる、二つ違いの兄妹みたいな関係になった。

加奈子は当時高校二年生。彼女はこの接祖の駅から、渡井の実家のある街、泉津まで毎日、高校へ通った。

「わっ!!」
駅のホームで、駅員として電車を見送った渡井青年の後ろから飛び付く少女。目の大きな、おさげ髪の美少女、岩倉加奈子だ。



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