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衛星和誌 −Qカップ姉妹−
【SF 官能小説】

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あなたは調教士(26)-1

「三日前、と言ったら、わたしたちがルリアさまと、スガーニーに渡る日ではありませんか‥‥」
 ジャニスさんが、怪訝な声を上げた。
「そうだ。スガーニー側で対面した際、その場で伝える‥‥その後、エントリーデータの提出をって正式登録とする、と」
 あなたも、そこで新たに湧いた疑問を、ルリアに尋ねた。
「その‥‥スガーニーが決めるというと、例えば、こっちに五十人出せとか百人出せとか言えるわけか? そんなことされたら、こっちはアウトじゃないか」
「――文面上ではそうだが、それでは試合自体が成立せず、流れてしまう。そんなことをやるメリットは向こうにもない。スガーニーは、今回のコンジャンクション放映網の整備に、多額の費用をかけている。試合が不成立になれば、財政面での打撃はあちらのほうが大きい。そんな馬鹿なことはできないはずだ」
「でも、試合不成立では、わたしたちオイオも困りますね‥‥。調教士さまも」
と、ジャニスさんが眉をひそめる。そうだ。あなたも、そのスガーニーの転送装置とやらを使えなくなる。帰還ができなくなるのだ。
 あなたの疑問のもうひとつは、その装置のことだった。というよりも、敵であるスガーニーとあなたが属するオイオとの技術力に関してだった。帰還できる技術をスガーニーが持っており、オイオは持っていないということは――。
(向こうのほうが――スガーニーのほうが、優れた科学技術力を持つ国だということか――?)
 それは、ここで口にするのははばかられた。帰還技術だけで単純に判断するのも拙速だが‥‥。思えば、あなたはいままで、スガーニーという相手について、一方、つまりオイオ側からの視点での情報しか、知らされてこなかった。ミドリはともかく、ルリアは恣意的に情報を歪めることはないと思いたいが、やはりその情報はなしには偏りが発生するのは、至極当然のことのように思えた。
(スガーニーに渡るというなら、いい機会だ。この目で、確かめてやろう‥‥)
 そう考え、それは彼女たちには聞かず、時機を待つことにした。
 ルリアはまた、羞恥服着用期に先立つ調教期間中に、すでにシャワー室でミドリを襲ってプレイしていたことを告白し、あなたに謝罪した。
「ルリアさま! あれはわたしが!」
 ミドリがかばおうとするのを止めさせて、ルリアはあなたに言った。
「いや、わたしだ。実質的に己が決めさせたような規定を自ら破り、肉欲に溺れたのだ。調教期間中のドリーは、“‥‥‥‥”、おまえのモノだ。わたしは、それを、力ずくで奪ったんだ‥‥!」
「‥‥‥‥」
「だから、わたしのカラダを罰してくれ‥‥というのは、おまえの性に合わないのか‥‥」
 あなたは思った。自分は別にサディストではないし――と。女戦士の告白は続いた。
「おまえの性欲とは違うのだろうが――わたしは、きっとお前に負けないくらい、この胸のふくらみのことを考えてきた‥‥」
「自分のだけではない。わたしたち女一般の、だ」
「わたしは、おまえが来るずっと前から、自分の特権を利用して過去の資料を漁り、おっぱい責め画像などを見ていたのだ。おまえよりも、多く見ているかもしれん‥‥。恥ずべき軍人なのだ。だから、わたしは自分の女である部分を嬲られることで、軍人として生きてゆけそうな‥‥そんな気もしているのだ」
「わたしは、三民議会でコンジャンクション開催を唱えたとき、おまえを呼ぶ気はなかったのだ‥‥。他の調教士を、という意味ではない‥‥」
「わたしは、過去の映像を見てきた。数々の、みだらな映像――画像を。この星系の歴史時代のコンジャンクションの映像、おまえが住んでいた時代のそういった映像、画像もだ‥‥。それを見ているうちにわたしは、試したくなったのだ‥‥。調教士としての自分の腕を‥‥!」
「溶液を開発させたのは、おまえのためではない。そんなわたしのためだったのだ‥‥。――どこかで自分に自信を持てない、わたしの弱さの顕れかもしれん‥‥」
「しかし、ドリー、ジャニスは知っての通り、コンジャンクションの詳細を伝えると、わたしは『戦士』として推されてしまった。自分で言うのもなんだが、わたしのこのカラダだ‥‥。受け入れるしかなかった‥‥」
「最終的に決定したあの王室会議の場で、わたしが涙を見せたのは、ドリー、そういうわけなのだ。自分の体が調教されることがいやだったわけではなく、自分がこの手で女体を調教できなかったことが、悔しかったのだ‥‥」
 ルリアはまた、これはあなたの召還以前の話だが、ミドリだけでなくジャニスをもシャワールームに誘い込んで襲っていたことも告白した。さすがに引いたのか、ミドリは、信じられない、というように憧れの麗人を見つめていた。
 ルリアがX十字にかかるときがやってきた。彼女はこの間と反対に、女同士での話でもあるのだろうか、ジャニスさんとミドリだけに塗ってほしく、あなたに一時の退室を頼んだ。あなたは了解した。帰還――スガーニーの転送装置とやらのことといい、スガーニーという国のことといい、またルリアの数々の告白といい、情報が多すぎ、頭のなかで錯綜していた。それらを整理したく、ちょうど、しばらくひとりになりたかったのだ。
「コンジャンクションが終わったら‥‥。――わたしは、オイオ軍を退役させてもらうつもりだ」
「何を言うの、ルリアさま!」
「――わたしには、自分が、オイオ軍とオイオの人々を利用している、という後ろめたさがあるのだ‥‥」
「利用、ですか‥‥? わたしたちオイオ王室こそ、ルリアさまを――」
 女たちのやり取りを背に、あなたはドリンクを取り、調教室から廊下に出て、シートに腰を下ろした。


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