ルームメイト-8
「抜いて、抜いてくれえッ」
ナオキは無意識に絶叫していた。
だが無慈悲にもアキオは、折り畳むような姿勢をさせたナオキを押し潰すようにのしかかり、己の凶悪な一部分をさらに深く、細身の身体に押し込んでいくのだった。
「入……った……入ってるぞ……」
無残に貫かれたナオキの上で、アキオが唸るような声でつぶやいていた。
それは自分に言い聞かせているのか、相手に征服を宣告したのかわからなかった。
ただそうした事実が口をついただけなのかもしれない。
無我夢中になりながら、アキオは休まなかった。
荒い呼吸をとめるごとに腰を付き入れ、その度に突き刺された肉根がミリミリと音をたてるように押し込まれていく。
「ああッ……あうッ……」
突き入れられる度に、ナオキは悲鳴をあげた。
痛みのあまり意識が飛びそうになるが、さらに加えられる次の被虐が耐えがたい現実へと引き戻し、混濁した意識に我が身の境遇の境遇を思い出させた。
(レイプされているんだ……)
絶望にうちひしがれたナオキと、相手を貪り尽くそうとするアキオの肌がぶつかった。
ついにその凶暴な肉塊が、入るはずもないはずの小さな器官に、すべて収まりきったのだった。
「ぜ、全部………入った……」
アキオはその事実を下半身の感触で確かめるように、折り重なった体勢を保ってじっとしていた。
ナオキは自分の内部に侵入した他人の肉体を、引き裂かれるような痛みとともに、実感せざるをえなかった。
どれほどそうしていただろうか……ほんの数秒だったのかもしれないが、ナオキにとっては永遠に続くかとさえ思わせる地獄だった。
(レイプ……されて……いるん、だ……)
混濁する意識に、その絶望だけが繰り返し去来した。
横を向いたナオキの目から涙が溢れ、鼻筋やこめかみをつたっていた。
それは屈辱のためでもあり、肉体的な苦痛のためでもあった。
だが苦悶にむせぶその表情もまた、妖しく、儚く、美しかった。
そんなナオキの容貌を眺めながら、アキオは本能的に、次なる快感を求めて動き出していた。
僅かに腰を引き、鎌首の手前まで肉棒を抜くと、そのままゆっくりとまた腰を前に出す。
接合部分が擦れるのが気持ちいいのか、その表情には恍惚が顕れはじめていた。