裕也だけの主任 1-1
寿輝は、裕也にメールを入れようとしたが、メールは止めて電話にした。
微妙なタイミングで行き違いが無いようにだった。
「もしもし!」
「あ、裕也か?」
「はい、、、」
「完了!どこ?」
「ホントすか!さっき飲み屋出て、すぐ近くのコンビニで立ち読みしてます。」
「あぁ、そこね!起きないか、ちょっとだけ確認してすぐに電話するよ…」
「はい、待ってますね!」
帰宅してすぐにつまみの準備に取りかかった希美は、まだ部屋着に着替えておらず、パンティーストッキングを脱いだだけで、朝出掛けた服装のままだった。
希美の会社は男性はスーツだが、女性は私服だった。
(会社と同じ服装のほうが裕也には刺激的かもな。)
寿輝は慣れた手つきで、確認作業をした。
全く問題無い。
リビングの照明を薄暗くした。
そして裕也に電話した…。
4、5分経った。
カッ…チャッ…
玄関のドアが静かに開いた。
「鈴木です、こんばんは。」
裕也が小声で挨拶する。
「こんばんは、お・待・た・せ〜」
寿輝もつられて小声。
「ドン・キでこれ買いました(笑)」
裕也が差し出したのはレスラーマスクだった。
「ストッキングは息苦しそうだし、目と口が開いてるほうが…」
「こんなの売ってんだぁ!目は分かるけど、なんで口開いてる必要あんの?」
「あ、いや…、必要かなぁーと(笑)」
「口は必要無いけど…。まぁ、いいや。暗いけどあがって。」
「は…い、お邪魔します。」
裕也は寿輝に連れられて部屋へと進んだ。
センスの良い芳香剤と主任がたまにつけているほのかな香水の香りがした。
2人でレスラーマスクを被った。
なんだか間抜けなようだか、それらしい悪の雰囲気になる。
寿輝がリビングのドアを開けた。
薄暗いライトの中、ソファーに横たわる女性の姿が裕也の目に映った。
「裕也の主任さんだよ…」
「…、…、」
寿輝は裕也に、たまたま偶然だがお風呂はまだで、服装も下着も会社のままであることを教えた。
「マ、マジっすか…!」
寿輝に促されるように裕也はソファーに身を寄せた。
そこには、、、