井上祥子の場合 2-1
玄関に出てきた祥子の姿は.....
自慢だった黒髪は茶髪に染められ、両耳にはジャラジャラとしたピアスが光り、唇は紫に塗られ、極細に剃られた眉毛、その眉毛を飛び出るかのように紫のアイシャドーがたっぷりと塗られ、つけまつげは数枚重ねられ、目元は黒くラインが入り清楚でやさしい母親の顔ではなく、ド派手なドキツイ顔に化粧をし、目つきはきつく獣のようにギラギラした男好きの目に変わり果てていた。
祥子がきている服も今まで着ていた地味な服とは異なり、ピカピカ光る黒エナメルのミニスカートボディコンにセクシーな網タイツを履き、いかにも男好きという雰囲気を漂わせている。
爪は黒色の長い付け爪をつけ、その指の間には口紅のたっぷりと付いた煙草を指にはさみ、祥子の身体は煙草の匂いと香水の匂いが混じって不快なにおいを放つ。
祥子「舞 おかえり」舞「ママ いつもと変わったね」祥子「あらそう、いつもと同じよ 舞にもらった口紅をつけてるだけよ」
そう言いながら煙草を吹かしながら台所へと消えてゆく、祥子.....
なぜ? 祥子がここまで変わったのかは朝、口紅をつけたところまで話は戻る。