井上祥子の場合 1-1
香のほかにも舞の変化に気づいたものがいた。舞の母親である。井上祥子 年齢は38歳で黒髪のショートカットの地味でおとなしい性格である。旦那は現在海外に長期出張中で、お金には困っていないが時間をもてあましているのでアルバイトをして時間をつぶしていうr。
最近、舞の様子がおかしい。祥子はそう思っていた。舞から煙草の匂いがしたり、雰囲気が変わってきていると感じていた。
ある日、祥子は舞が学校に行っている間に舞の部屋に入ってみた。舞が留守の間に勝手に入る様な事を祥子は決してしないのだが.....
部屋の中に入り、いつもと変わらないことを確認し、机の引き出しやの中を見ていき、クローゼットを開けて祥子はびっくりした。祥子「なにこれ?これは一体」
クローゼットの中には今まであった舞の服はすべてなくなっていた。、代わりにケバケバく派手な服、化粧品、アクセサリー、不良が着る改造された制服、おびただしい数の煙草が入っていたのだ。
祥子はあまりの衝撃にクローゼットの扉を閉め、リビングへ戻り、娘の帰りを待った。
「ただいま」舞が学校から帰ってきた。祥子「舞 話があるのこっちへ来なさい」そう舞を呼ぶと「舞 あのクローゼットの中身は何?それにあの煙草も」舞は黙って答えない。祥子「舞答えなさい」というと舞の頬に平手打ちをする祥子
舞は平手打ちを受け、祥子を睨め返す。祥子「舞 その目は何よ。あなた自分のしていることが分かっているの」舞は言わずに階段を駆け上がって行き、自分の部屋に入ると鍵をかけ、部屋に閉じこもった。
舞「ババア 勝手に見やがって絶対に許さねえ」そう言い例の口紅を入れているポケットに手を突っ込んだ。口紅は2本に増えていた。舞の顔に邪悪な笑みが浮かんで消えていった。
翌日、学校に行く前 舞「お母さん 昨日はごめんなさい 私が悪かったの 許して」祥子は予想もしていない言葉を舞から聞き安心をした。祥子「いいのよ これからは今まで通り真面目な舞でいてよ」舞「お母さん わかったから安心して これ お母さんにプレゼント」そう言いながら例の口紅を祥子に渡す。
舞「お母さん いつも忙しそうだから いつもきれいでいてほしいから舞からのプレゼントよ 使ってみて」といい学校へ出かけていく。
祥子は舞が危うく不良になるのではないかと心配して眠れなかったのだが、朝の舞の様子では大丈夫だろうと安心をした。
家事も一段落ついたころ、せっかく舞に貰ったので使わないのは悪いと思い、例の口紅を鏡を見ながらつける祥子
口紅をつけ終えた瞬間、祥子の身体の奥底から黒いものが一気に噴き出てきて祥子の体中を駆け巡っていく。顔は舞達のように変化はしなかったが、「そうよね 舞の言うとおりいつまでも綺麗ででいないといけないわね」とつぶやく祥子
その日の夜、舞がいつものように帰ってきた。母「おかえり」と声がして出迎えに出てくる。