おきてがみ-3
一通の手紙と共に、生きる勇気と可能性を天使から受け取った。
きっと今も彼女は天使に守られている。
いつか彼女はまだ人間だった頃の天使に話したことがあった。自分の祖父母の話。いつまでも仲が良かった祖父母を見て、いつか自分もそんな夫婦になりたいと。彼は笑顔でその話を聞いてくれていた。
由香は今、その夢を叶えていこうとしている。浅井一馬と、二人で人生を歩もうとしている。
そして、また由香は天使からの奇跡を体験した。それは天使からのもう一通の手紙。
この事は一馬は知らない。これは天使と由香、二人だけの秘密だった。
涙に濡れた古い手紙と、今朝届いた新しい手紙。新しい手紙には、簡潔に由香に向けた言葉が書かれていた。
北野由香は浅井由香になる。新しい人生の始まりに由香は天使の欠片を連れてゆく。
もう二度とない天使からの奇跡。
天国からきみへ
幸せになれ!