〈我ハ“八代”ナリ〉-7
『コイツって、タムル様のチ〇ポしゃぶってた家畜なんだろ?ギャグなんて要らなくないかよ?』
『頭がイカレてっから噛み切られるかもしんねえだろ?用心するに越した事はねえさ』
『ケツの穴を締めろコラァ!!気持ち良くねえんだよぉッ!!』
苛烈な集団凌辱に曝され、架純は苦悶の悲鳴をあげている。
揉みくちゃにされて加速度的に壊されていっているも、誰も労りもしなければ気を遣う事も無い。
赤土には吐き出された胃液と、夥しい量の精液の海が拡大を進めている……と、その褐色の人垣の中に、専務はズボンだけ脱いだ自分の部下達の姿を視認した。
『こんなトコで何してんだテメェら?』
『う、うわッ!?せ…専務?』
『おつ、お疲れ様です!』
まさか此処に現れるとは思ってなかった部下達は、一様に狼狽え、何度も頭を下げた。
その会いたくなかった男の顔は不機嫌さを隠そうともせず、眉間に皺を寄せて目を見開いていたのだから。
『報酬の原木が土場に山になってんだとよぉ?さっさとローダーで運んで船に積めよ、ボケッ!!』
『は、はいッ!!』
『すいませんでしたぁ!!』
何も仕事らしい事をしていない自分を棚に上げ、専務は威張って怒声を張り上げた。
その瞳には、急いで駆けていく部下達の不満に歪んだ顔は見えてはいなかった。
『……サボって遊びくさりやがってよぉ……使えねえ奴らだ……』
唾と悪態を吐き、専務はサロト達の居ない宿場へと向かった。
もう日射しは傾いてきていた。
出港は翌朝と決まっていたし、それまで専務は時間が余っていた。
春奈や景子と遊べる可能性はゼロであるし、精液塗れの不潔な公衆便所など使いたくも無かった。
明日の朝まで専務は一人で過ごし、誰とも話さず食事を済ますのだろう……。