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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈我ハ“八代”ナリ〉-10

『……少し“火遊び”をしたい……欲しい物があるのだが……』

『……ほう?』


サロトは片方の眉だけを上げ、少しだけ微笑んでみせた。


『お前の相談は何時も物騒じゃのう……欲しい物は何じゃ?狙撃銃か?それとも無反動砲か?』


茶化したようなサロトの話しぶりからすると、過去にも八代は此処を訪れ、何らかの武器を購入しては、特別な任務を遂行していたようだ。

確かにサロトはゲリラの一員であるし、武器や弾薬の類いで不自由などあるまい。


『………いや、今回は控え目に遊びたいんだ……欲しい物は……』


八代とサロトの商談を、パートナーは見守るように聞いていた。
これならば貨物船を取り逃がす事など無いし、秘密裏に消し去れるだろう……。


『そんな物なら直ぐに用意出来るわい。ちょっと待っておれ』


サロトは部屋に置いてあった電話を取ると、八代から指示された物を用意するよう伝えた。
この広い施設の中に、既に有る物なのだろう。


『……こんな武器屋が要るんなら、拳銃もここから買えば良かったんじゃないか……?』


小さな声でパートナーは囁いた。
大体の武器を現地で購入出来るなら、何も面倒な真似をして密輸する必要は無かったはずだからだ。


『突撃銃や重機関銃なら不自由はしないだろうが……拳銃となると…な……』


近年、市街地での取り回しの良さが認められ、改良を加えられた実戦用拳銃が補助的に使われるようになったが、この国での戦闘は密林が主である。
しかも揃えてある武器にしても、先進国のお古が殆どである。
銃床を機関部内に収めて銃の長さを短くしたブル・バップ型突撃銃というのも存在するが、サロト達はその銃を持ってはいない。

敵と戦うのには長さのあるスタンダードな突撃銃を用いるのが当たり前で、単発の拳銃は、自殺用の携帯武器という古い思想がまだまだ蔓延っていた。

粗悪品のコピー拳銃が当たり前に出回っているこの国だから、リスクを犯してでも信頼のある拳銃を手に入れたかったのだ。

八代には〈失敗〉の二文字は、例え死んでも許されないのだから。




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