レベルゲートU ―偽装―-1
「・・・うわっ」
ジェイは、飛び起きた。俺は撃たれた。匂い、明るさ、とても鮮明に脳裏に蘇る・・・
「夢、か?」
そうつぶやくと、しかし、周りを見たジェイは飛び起きた。どこだココは?
「あれ・・・ここは・・・」
「・・・私の家よ」
ジェイは、背後からする言葉の主を見た。
「ミュウ・・・」
身長は160cmくらい。スタイルは、どこぞのへたなアイドルよりよい。幼さと、美しさが混沌とする顔は、なんとも形容しがたい美しさだ。肩まで伸びた黒髪は、綺麗にまとめ上げられている。それが、全身黒のスーツに同調している。ただ、コイツは油断ならない、なぜなら・・・
「ばかねぇ、あんたは。リパルーションの能力を過信しすぎなんだって・・・」ミュウは、軽く馬鹿にするように言った。
「ふん。てめえに言われたくはないね」俺は、そんなこと認めたくない。
「なによう。私が助けに行ってやらなかったら、あんた、死んでたかもしれないのよ」
「助けに?お前だってコースターを狙いに来ただけだろう?」
核心をついた。
「そ、そうよ。けど、結果的に助けてもらったんでしょう?あんたも少しは感謝しなさいよ!」ミュウは、ちょっとうろたえた。
「は、誰が、お前なんかに、助けてくれって言った?」
「なによー・・・。」ミュウは、怒っているようだったが、ふっ、と笑った。
「そう。そう言う事言うんだ・・・じゃあ、“あれ”のことクルミにばらしちゃってもいいんだけどなぁ」
「うっ」
「どうする?」
「っち・・・はいはい、ミュウ様ありがとうございました・・・」俺は諦めた。
「そう、それでよろしい」ミュウは微笑んだ。
俺は、ミュウの家で遅い朝食をとる。ミュウは、料理も上手だ。俺は、トーストを食べながら、彼女に尋ねる。
「お前は、なんでコースターを狙いに来たんだ?ブラックキャッツの仕事か?それとも、組織のほうなのか?」
俺と、ミィユの雇い主は違う組織だ。もっと言うと、裏の二大勢力といわれ、いがみあっている二つの組織であるから、ここで会っているのは、組織への裏切り行為になるんじゃないかな。なんて思う。
「そんな事言うわけないでしょう?だいたい、そのコースター、あんたが寝てる間に私が盗ったかもしれないのに、よくのんきにしてられるわね・・・」
俺は、焦ってふところからコースターを取り出した。それは、傷ひとつついてなく、金色の輝きを放っている。
「なんだよ、別に・・・」あるじゃんといおうと思った。が、彼女が、割り込む。
「・・・私は、あんたの寝込みを襲うほど、男に飢えてはないよ」
「・・・なっ」
「・・・バーカ」
・・・コイツには勝てない。