第47章 恋愛ごっこを、随分と楽しんでいるようね?-1
ひたぎは昴に甘え、子猫のようにじゃれついていた。明日の土曜日が待ち遠しくてたまらない。
ファーストキスを交わしたあの日、二週間後のこの週末に軽井沢で二人で過ごすと決めてから、本当に色んなことがあった。昴と触れ合う度に激しい思いが溢れだし、処女を守りながらも、それまでのひたぎでは考えられないような激しい行為を重ねてきた。
また、綾乃との事故があり、水晶の存在が発覚し、そして、愛子の偏愛に翻弄されながらも、それを乗り越えてきた。そしてその度に、狂おしい思いと快感に打ち震え、昴への愛は深まっていった。
ただ一つの気掛かりは瞳だった。昴がひたぎと出会う以前、瞳と愛子は昴の初体験の相手を廻って争ったと聞いていた。瞳はひたぎを一度は認めてくれたが、愛子のことがあってから、胸騒ぎを覚えてしかたがないのだ。
瞳がその気になれば昴を奪われる。考えるほどに不安が募り、ひたぎは昴を引き留めた。しかし週末は軽井沢で1泊するのだ。その準備もあって昴を帰さないわけにもいかない。夜中過ぎ、朝の8時に迎えに来ると約束して昴は帰っていった。