〈抜け殻〉-8
「んぷ…ッ…ちゅッ!!…はあぁッ…!!」
入り込んでくる舌を拒絶しようともせず、むしろ積極的に春奈はサロトの舌に自らの舌を絡め、必死に吸い付いていった。
絶望の坩堝に浸され続けた春奈の精神は、サロトが願った通りの結果を生み出し、完全にバラバラに砕かれてしまっていた。
それは拒絶と嫌悪で抗う事を止め、恐怖の存在と同化する事で降り掛かる恐怖から逃れようとする、ストックホルム症候群に似た精神状態であった。
「お…おチ〇チン……はひ…はひ……大翔ぉ……大翔ぉ…ッ」
架純は譫言のように大翔を呼びながらも、春奈への肛姦を止めようとはしない。
ストックホルム症候群とは明らかに違う症状だが、逃げる場所を失われた架純の行き着いた先は、春奈のソレと変わらない。
『あらぁ……春奈ちゃんはサロトさんのおチ〇チンの方が好いみたいよぉ?……これじゃあ大翔さんは呼べないかなぁ?』
「早く…早く大翔に会いたいよぉ……グスッ…大翔ぉ……私を早く抱いて……」
絶頂に導くべき快感をサロトに奪われてしまった架純は、泣き言を並べる事で大翔との再会を果たそうとしていた。
羞恥心や自尊心すら剥ぎ取られてしまった哀れな女は、実に御主人様からの命令に忠実であった。
いや、思考能力が欠落してしまっていると言った方が正しいのだろう。
「ハアッハアッ…お願い…イッて……ハアッ…早くイッてよぉ!」
『す、吸い付いて離そうともせんわいッ!!た…堪らんのうぅ!!』
「はああッ!!あ"ん"ん"!!あはぁッ…!!!」
タムルと専務とにサンドイッチにされた時、春奈は力無く身体を振り回されているだけだった。
だが今、架純とサロトに挟まれて両の穴を姦されている春奈は、明らかに自らの意思で踊り、可愛らしい声で見る者を魅惑していた。
(く…クソぉ……ヤりてぇッ)
全裸な専務に、勃起した肉棒を隠す術は無かった。
さっきまで優愛を嬲り者にしていたのに、精液を絞り出してきたのに、もう早くも欲望は膨れ上がり、春奈か架純を姦したくて堪らなくなっていた。
それはタムルも同様なようで、専務に負けじと肉棒はギリギリと反り返っていた。