生きている理由-4
今、何て言った?。臓器が見つかった?
「えぇ、貴方がドナー登録をして、スタッフが探しに探したんです、それで。」
吉報な筈なのに、全く喜べない…何故ならば。
「あの先生、それは本当なんですか?」
「?」
やはり、母も同じ事を想っているようで。
「だって適合者って早々見つかるものでないんでしょう?それなのに。」
「患者の心を癒そうとするのは在り難いですが、下手なウソはかえって…。」
「冗談でも嘘でもありません、私は貴方の担当医ですそんな酷い事言う筈がありません」
「でも…。」
「確かに、疑うのは無理ありませんけど。」
「本当に、助かるんですか?」
「はいっ!良かったですね。」
得意気な先生、本当の事しか言ってないんだろうけど。
「なら、詳細をご説明下さい…、そうしたら完全に受け入れる事が出来るでしょう。」
そう言うと、先生は椅子に腰を卸し、その半信半疑な吉報の話をする。