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田園シンデレラ
【女性向け 官能小説】

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「今日ははやめに切り上げて、出かけるぞ」
「そうなの?どこへ?」
「食事に」
「珍しい」
「たまには、な」

そう言って2人で起きあがり、布団を片付け、朝食をとり
2人で畑に出かける。
農家の朝は早い。

ズラリと並ぶカブの芽を周りの生え方を見ながら間引きしていく。
なんだか、人間様が勝手に選びぬいているようで嫌だけど
午前中に抜いた新芽はきちんとお昼にスプラウトとして頂いた。
なんだか自然の全てを捨てるのがもったいなく感じるようになったな。

そんな自分の変化に面白くなりながら
少し早めに仕事を切り上げて
2人で一緒にシャワーを浴びた。

「ねぇ。服装は?」
「ジーンズはダメだな」

まさか2人で初めて外食するのに
ジーンズなんか履いて行く気はないけれど。

それでもお互いの部屋で着替え終わって居間で会えば
豪が濃紺のスーツを着てネクタイを締めて
髪をセットしていたもんだから

「どこに行くの!私、着替え直す?」

と、ビックリした。

「その恰好で大丈夫だ」

にやりと笑ったその顔で本当に大丈夫なのかと心配するけど
ワンピースだから、大丈夫・・かな?

豪が農道に向かって歩き出したから
「なに?バス?」
ああ、飲むからトラックじゃないのか。なんて
呑気に考えていたら、農道の手前にある、古い倉庫の鍵を開けた。


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