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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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疑惑…-1

いつもと変わりない空、いつもと変わりない住宅街。

私はこれ以上両親に心配かけまいと、癒えない心労を必死に引っ込め登校する。

元気に歩く子供、気持ちよさそうに泳ぐ白い雲…。

彼が死んでも世界は回る。今となってはテレビで人の死亡ニュースが流れてもすぐに違う
報道を流され寂しい想いをする人の気持ちが判る。

私は歩く。何の楽しみもなく、何の希望も抱かず、ただただ前へ前進する。

挫けるな織原杏。大切な人を失っても生き続けている人はこの世に何千人といるんだ。

元気で明るいだけが取り柄何だから…、だから。

……。

………。

不意に胸が締め付けられる。

やっぱり、ダメだ。

「−−なぁ。」

私には…やっぱり、彼が居ないと…。

「杏っ!」
「!!」

それは、聞く筈の無い声。私は振り向く、すると。

「き、絆?……。」
「やぁ!元気そうだね。」

やや高めの身長、軽いくせっ毛、そして柔らかい表情。

「ど、どうして……。」
「治ったんだ、母さん達が世界中を駆け巡って凄腕医師を見つけて。」
「そんな……奇跡が。」

目の前に彼が居る、幻じゃない。

「さぁ!学校に行こう、皆に顔を見せないと。」
「うん……。」

そう言って私の腕を手に取り地面を思いっきり蹴る、無限に広がる輝かしい未来と言う名の大空へ……。

絆、君とようやく……。


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