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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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疑惑…-4

これ以上話しても杏を苦しめるだけだと後ろ髪を引っ張られる思いで病院を後にする。一人にしたけどまさか死のう何て思う筈…ないよね。

「こーなりゃ小樽に行って、アイツを連れてこよーぜ?。」
「えっ?」
「そりゃー絆に完治のアテがなくなり気力をなくしてるのは解ってる、でも!まだ生きてるんだろ!?会わせてやろうぜ、このまま何もしないでいるくらいなら…。」
「東堂…クン。」

杏をどうにか救ってあげたい、だから彼の言うように黙って指を加える、何て事は。でもあまりにも突拍子もない提案。

「オジサンたちの話、聞いてなかったの?彼は、もう死んだのよ?だから葬儀屋で手続きを行って。」
「見間違いじゃないのか?仮にそうだとしても、事前にちょっと下見をしただけじゃないのか?そんな所、死んでから行くもんじゃないだろう。」

なら彼はまだ生きてる?…そうだ今までずっとこんなのばっか、死亡を匂わせる事実をちらつかせ、彼がハッキリと死んだという知らせは何一つなかった。

二人でそんな疑惑に思考を巡らせていると、向こうから見覚えのある顔が。

「あ……長谷川クンのお母さん達。」

夫婦揃って病院へ向かう二人に駆け寄り声を掛ける。

「!……菫ちゃん。」

息子の友達が登場し不意に驚くオバサン、何もそこまで。

「どうしたんですか?」
「……ちょっと、杏ちゃんに会いに…。」

例の自殺未遂事件を聞き、心配になったオバサン達。

「……葬儀は、進んだんですか?」
「葬儀?」
「えぇ、だって彼は手術に失敗して…、天国に。」
「……。」

東堂クン推測を確認したく、カマを掛ける私。すると、妙に動揺夫婦。

「彼は、亡くなったんでしょう?それで葬儀屋に行って。」
「!!」

東堂クンも参加し出す、初対面なのだが。

「確かに、一度は諦めたケド…。」
「彼は、……生きてるんですか?」
「それは……、失礼する。」
「あっ、待って。」

逃げるように二人で病院へ向こう夫婦。

何なんだ。もし亡くなったのならああいう言い方はしない。なら彼は生きてる?。でもそれならどうして連絡一つしない?彼の親も何か隠してる様子で。

もし生きているのならまだチャンスが……。でも、必ずしもそう都合の良い物とは限らない、杏はもはやボロボロ状態、幾らチャンスがあるからと、そんな違和感だけで、変に期待させてガッカリさせる、だなんて。

やれる事はしたい、でもこれ以上あの子の心を引っ掻き回したくない。

「俺、ちょっと行ってくるわ。」
「行くって、まさか…。」

どうやら彼は、やれる事はやってみるようだ…。もはや東堂クンにとって杏は元カノだとか長谷川君は恋敵だとか関係ない、ただただ親友の幸せを願って。

チャラ男と思ってたけど、案外純粋で優しい心を持っているんだな。


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