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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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疑惑…-3

オバサン達が病室を出て、後を託すように私と東堂クンで、絶望に満ち溢れた杏を見守り

「………。」
「杏……。」

流れる容赦ない重たい空気。

「杏、大丈夫?」
「…大丈夫な訳ないでしょっ!?」
「っ……。」

先ほどまでの暗い表情がパッと消え、目を見開き思いっきり私を睨んで怒鳴り出す。

「どうして助けたり何かしたのよ!私はもう死にたいの!」
「……杏。」

助けたのは彼女の両親だ、しかし眠っている間目を覚ますのを待っていれば私達だって助けたのも同然。

「…せっかく、ようやくこの世界から抜け出し、そして…彼の居る世界にずっと。」
「何寝ぼけた事言ってんだ、死んだら何も残らねぇ。」
「何よ、アンタには関係ないでしょ?私は苦しいのっ!こんな、世界…。」
「甘ったれてんじゃねぇっ!!」
「!!?」

東堂クンの怒号に肩を竦ませる私と杏。

「今、お前が死んだら周りの人はどうなる?織原サンの両親、御園サン…。苦しい?こんな世界居たくない?だからって自ら命を絶つのか?お前にこれまで良くしてくれた皆をまだ傷つけるのかっ!?自分が今感じてる耐えがたい痛み苦しみを御園サン達に味あわせたいのかっ!?」
「わ、私は…そんなつもり。」
「死にたいなら死ねば?窓から飛び降りるなり果物ナイフで斬りつけるなり…、今度は邪魔も入らないし、息絶えるまで私達…見届けるから。」
「す、菫…。」

東堂クンの罵声に、鋭く冷たい言葉を刺す私。

「東堂クンはアンタが亡くなったら私が苦しむっていうケド、そんな事はない。杏の気持ちは良く解る、アンタがそれでラクになれるのなら私は反対しない、明るい笑顔が自慢な杏の暗い顔をこれ以上見たくないし…。」
「菫……。」
「これで良かった、これが正しい選択だ…と、割り切るだろう、でも後々アンタが居ない世界にどっと悲しみを感じるだろう。」


杏をラクにしてあげたい、でも彼女には死んで欲しくない、そんな迷いが彷徨い。

やり場の無い深い悲しみに苦しむ杏。大好きな彼が死に、自ら命を絶つ事すら出来ない。

彼女からしてみればこれ以上にないくらい生き地獄。大好きな親友が、こんな事に…。

「アイツが居ないが故に…。」





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