シロ-3
彼の背中から見える夕日はとても綺麗だ。
『…こんな景色見たことないよ』
夜になる前。暗闇になろうとする空はとても綺麗。
彼はいつもこんな景色を見ているんだと不意に思う。
『…あたし、今まで下ばかり見てた。空はあたしにとったらあまりにも遠すぎて…下の世界は汚いものばかり。空を見る事なんて忘れてたよ』
彼の背中に耳を付けて心地いいリズムに身を任せていた。
『これからは、上の世界ばかりだぞ。俺もいるんだからな』
そぅ言って笑う彼につられて少し笑えた。
あたしは彼に拾われた。
公園の片隅で泣いていた所を。
シロと同じだけど、いいよ。
シロと同じキスは最高に幸せにしてくれるから。