シ-6
夕飯は気にするな。
そういったのは確かに俺だ。
だけど。遅くないか?
そうイライラし始めた頃
車が家の前に止まる音を聞いた。
「ただいまぁ〜」
こっちの気も知らないで帰ってきたシンデレラは
大きな声で「また行こうね〜」と
隣の坊主に声をかけている。
その言葉にムッとした俺は
居間に入ってきたシンデレラに
「何時だと思ってるんだ?」と
つい声を荒げた。
「ええ?まだ8時だよ?」
「もう暗いだろうが」
「そうだけど、心配した?」
嬉しそうに笑うこの女の格好は
この辺には似合わない服装だった。
あぁ、忘れちゃいけない。
この子はいつか横浜に帰るんだ。
「いや。ごめん。お風呂沸いてるから」
そう言って、追い出したあと、
自分の気持ちがどうにも上手く整理できずに
ビールを飲み始めた。
しばらくしてお風呂から出たシンデレラが
髪を拭きながら居間に来て
私も飲む!
といい、冷たいビールを缶のまま口をつけた。