シ-5
一人で食べる昼もひさしぶりで
用意もめんどくさいなと思いながら
居間に上がるとメモに気がついた。
「・・・・」
休みだっていうのに。
昼飯を用意して行ってくれたのか。
もう一度大きなため息をついて
ドサっと座り込んだ。
ここで農園をやろうと決めた10年前。
祖父から譲り受けた家を改築して
住みやすい家にしてすごく気に入っている。
その家が今日はやけに広く感じる。
近代的に揃えたキッチンが冷たく感じる。
重症だな。
苦笑いをして、シンデレラが作っておいてくれた昼飯を
一人でありがたくいただくことにした。
都会に住む女の子がこの暮らしに我慢できるはずがない。
そんな風にタカをくくったが
あの子は本当によく働く。
たとえそれが契約欲しさからだとしても
男でもきつい畑仕事を文句も言わずによくやってくれる。
それを。。。
可愛いと思わない、農家の男がいたら見てみたいもんだ。