白金の桜貝 ☆-2
半年前レイプによって処女を奪った男に対し、恵利子が悲しみの抗議から発した問いに対する答えの言葉は……
“美しいから”
…… であった。
髪を優しく愛でる指先の動きとは対照的に、男の陰茎は今もなお果てる事無く恵利子の胎内で熱く脈打っている。
その持久力、耐久力、逞しさに縋り付きたい様な感覚に囚われる。
その時男の口が開かれ次の言葉が、恵利子の耳元で囁かれる。
「最後は恵利子の顔を観ながら“射精したい”」
その言葉に恵利子は仰向けになると、自ら誘い入れる様に両脚を開いていく。
男は慌てる事無くゆっくりとした動作で、先端をあてがうと深く深く潜り込んでくる。
そして先程とは全く違う動きで、再び恵利子を悦びの渦へと誘う。
深く挿し込まれた陰茎を軸に男の腰付きは、まるでメビウスリングを膣内で描くように蠢きはじめる。
その動きに先程まで膣内壁背側をなぞりあげていた雁首が、今度は膣内壁臍側を擦り上げてくる。
男を見上げる恵利子の瞳は潤み、靄がかかりはじめていた。
白く細い両腕が自然と求める様に男の背に周る。
唇を重ねられ受容れると、男の舌が恵利子を深く求める様に口内を弄る。
ディープキスの経験の無い恵利子にとって、ただただされるままに身を委ねる事が精一杯であった。
より深く結合出来る角度を探る様に、いつの間にか自ら腰を浮かせていた。
そこにあるのはもう穢れ無き桜貝では無く、艶やかな悦びに包まれた“白金のクレヴァス”であった。
(こっ、こわれる…… わたし、本当の私が壊れて……イクっ)
耳を疑いたくなる淫靡な音が自分の中からあふれ、あふれふとももを再び冷たく濡らしていく。
いったい…… 何度のぼりつめたであろう?
身を委ね依存する心地良さ…… を知り、快楽を貪る術を刻み込まれ続ける。
それでもまだどこか、満たされぬ“渇き”に似た感覚が片隅に残る。
(やっぱり…… 言われた通り……)
恵利子は内なる恵利子の言葉を思い起こしていた。
「おっ、おねがい、お願いします。ごほうび、ご褒美を恵利子の○○○にください」
その言葉にほんの少しだけ、千章の口元が緩んだかに見えた。
そして白金のクレヴァスより、見事な反りを見せる陰茎がゆっくりと曳き抜かれる。
それに媚びる様に顔を寄せると、自ら滴らせた淫蜜で頬が冷たく濡れる。
細い指が絡み付き、無形のポリウレタン容器を丸める様に外していく。
むき出し生身の陰茎が、薄く淡い口元に消えて行く……
頬を窄め舌先を絡ませながら細い首を前後させ、右手は優しく陰嚢を包み込み睾丸を転がし始める。
その様を見下ろす千章の視線の先には、美しい黒髪に浮かぶエンジェルリングが映る。
「ちゅぶっ、ちゅぶっ、ちゅぶっ……」
清らかな横顔とは不釣り合いな淫音は、加速度を増しその口元よりあふれ出す。
時折上目使いで千章の表情を伺う恵利子の視線は、艶めかしくも僅かにあどけなさを残す。
ふとっ、千章の指先が恵利子の黒髪を愛でる様に触れる。
それは無言の前兆…… 恵利子の意識は集中をみせ、口元にはよりいっそうの熱がこもる。
再び触れた指先が手入れの行き届いた黒髪に絡む時、恵利子の両腕が千章の腰を抱え込むようにまわる。
“男”の自分への想いが、口内に放たれるのを感じる。
「んぐぅっ、んぐっ、んぐぅぅ」
口内一杯に満たされた“想い”を一滴も溢すまいと、喉を鳴らせて飲み干す恵利子。
すると不思議なまでに、全身に残る疼きと渇きが静まって行く事を感じていく。
(もう…… わたし……)
つづきは、「磯崎恵利子 16歳の受容 Platinum girl」にてお楽しみ下さい。
http://syosetu.net/pc/book.php?pid=book&book_no=6721
ご案内
最後まで「磯崎恵利子 15歳の受難」をご覧になって下さった皆様ありがとうございました。
そして続編について、少しご案内をさせていただきます。
《もうひとつの磯崎恵利子の物語……》
http://syosetu.net/pc/book.php?pid=book&book_no=6697
続編である「磯崎恵利子 16歳の受容 Platinum girl」と並行して、「白色金 (white gold)」を記載させていただいております。
因みにタイトルの「白色金※2(White Gold)」と言うのは、白金※1(Platinum)の紛い物的な意味合いを持たせています。
こちらは時系列的に言えば遡行する形となり、「磯崎恵利子 15歳の受難」と並行する世界観にあります。
物語は恵利子が中学三年二学期転校したところからはじまり、視点は同級生少年不易一文(ふえきかずふみ)のものとなります。
こちらもあわせてご覧いただきますと、物語の世界観がよりいっそう楽しめるかと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※1白金(はっきん、英: platinum)は、原子番号78の元素で元素記号は Pt、白金族元素。
※2白色金(White Gold、日本語: 白色金) は、主に宝飾品として利用される事が多い金を主体とした白い合金。
《参考》ホワイトゴールド (White Gold) の英単語をそれぞれ日本語に直訳すると「白・金」となるが、日本語における「白金」は原子番号 78 の金属、すなわちプラチナを意味する語であり、両者は全く異なる金属である。この錯誤を意図的に悪用した詐欺もある。ホワイトゴールドを表す日本語は「白色金」である。