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衛星和誌 −Qカップ姉妹−
【SF 官能小説】

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ルリア語り(3)-1

 なんと――。
 ドリーはわたしを攻めてきたのだ。いや、それは大げさかもしれないが、とにかくわたしは左の乳首が彼女の口に含まれ、吸われる感覚を覚えたのだ! そのままちゅううっと吸われる。ちゅううううっと電流が乳首そこから走り、くたくたっと力が抜けた。そして、
「――――‥‥!」
 なぜか局所あそこにも甘い、そしてじゅうううっという感覚が。これは――‥‥。
 湯滴が四方八方から飛び交うややもすれば危険な状況のなか、わたしはしかし初めての快感に、はしたなくも思わず、マスク内で大きな喘ぎ声をあげてしまったのだった。

 オダ・ペリンツィアの小屋での日々を追え、人界に戻ったわたしを待っていたのは、再び戦士として生きる道だった。それまでのスガーニーとの闘争の日々により、わたしの名前は、自分が思うよりもずっと広まっていた。
 トゥーロパのゲリラ的な部隊の指揮官から、わたしは気がつくと、オイオ正規軍の高位指揮官となっていた。
 そして、その後のオイオの政治的流動により、いつの間にかこの国の政治にまで関与する立場にまでなってしまった。正直、わたしには荷が重いし、そもそも、軍属が直接まつりごとに携わること自体、よろしくない。
 これは言いにくいことだが、オイオは平和な国で、わたしは大好きだが、そういった面では遅れている国家と言わざるを得ない。逆に言えば、遅れた部分は見えてしまうが、わたしは心から愛している。わたしの祖国トゥーロパは、わたしの知るトゥーロパではなくなってしまった。わたしはそれに抗おうとしたが、心のうちには無力感だけが残った。
(スガーニーは――‥‥)
 わたしは、常日頃の思いに沈んだ。
 あの調教士に、いや、ジャニスやドリーにも言えないことを、わたしは多く抱えている。彼女たちとは、その頃に出会った。初対面は、彼女たちが覚えていたら申し訳ないが、わたしは覚えていない。こんな長いつきあいになるとは、思っていなかったのだ。

「う‥‥はう‥‥。――あっ‥‥」
 わたしは、自分の乳房おっぱいをゆっくりと揉み込んでいた。その胸から弱電流のような心地よい刺激が全身に走り、それが背徳的な快感へと変化してゆく‥‥。
 わたしたちの胸の、このおっぱいというものは、素晴らしい。
 だが、いやらしいものでも、ある。そしてそのままでは、コンジャンクションのような公の大会に使えるわけではない。だからこそ、調教が必要なのだ。
 コンジャンクションにおいては、出場する戦士の乳房おっぱいは「道具」だ。溶液は、その道具の調整と強化――調教――のために、必要なものだ。だからわたしは媚薬を――あの溶液を工廠に開発してもらい、調教での使用を決めた。あの調教士を選んだのは、そういう理由もある。ドリーは、あの男の人柄に不満のようで、わたしに、彼女の目に映るあの男の「欠点」をいろいろ述べ立てたが、わたしは、満足している。
 コンジャンクションにおいては、調教士は戦士を、愛してはいけないのだ。だから、深く人を愛してしまうような男は、調教士には、不向きなのだ。どこか飽きっぽく、わたしたちの乳房にだけ興味を示すような男でないと――彼がそうだったからこそ、わたしは彼を推したのだ。
 彼は、わたしたち――わたしにも及びもつかないアイデアを持っていた。例えばあの、調教タイム終了後も日常的に恥ずかしい服を着せる、また廊下等で出会った際に誰でも触り放題にする、というやり方だ。わたしには最初、何の意味があるのかさっぱりわからなかったが、ジャニスによると、あれは思ったより効果があるそうだ。決められた時間だけではなく、日常的におっぱいその他を曝け出し、いつ触られるともわからない状態で過ごすことは、思ったより官能を高めるらしい。
 あの調教士は、おそらくドリーに対しても、一通りが終われば、同じことをしてくるだろう。ジャニスのときはドリーはあの調教士の誘いに乗らなかったが、ドリーのときは、わたしは乗ってみようと思う。それでみだらさがアップするのなら。
 そして、あの調教士は、わたしのときも、同じことをするであろう。そのときが来たら、ドリーとジャニス、特にドリーには遠慮しないで参加するよう、言っておこうと思う。
 しかし‥‥。
 わたしは、あの調教士のことが気にかかっていた。
(彼の世界からこの世界へ、意志も聞かずに強引に召還してしまって。おまけに――)
 ジャニス調教の時期と比較して、最近、あいつは元気がないように見える。
(いま、わたしに、何かしてやれることはないだろうか‥‥)
 わたしはまた、物思いに沈んだ。

 翌日‥‥。
 調教士はドリーに、溶液塗付のうえ、四つん這いで歩くことを命じた。
 ドリーとは、あのシャワールームでの後、昼間の調教には持ち込まないことをお互い誓い合ったのだが、やはり気まずく、目を合わせづらかった。
「ご、ごめんなさい‥‥。ル、ルリアさま、わたし‥‥」
「いまは言うな。お互い‥‥と、とにかく、拭くぞ。おまえも‥‥こ、こらっ、そこは‥‥――」
 お互い、小さなドレッシングルームで体を拭きあいながら、混乱した頭を整理していた。そのときわたしには、ドリーへの申し訳なさがあった。そしてまた、調教士のものである調教期間中の彼女に手を出したことについて、彼女にそのとき、事実上口封じさせた。それら二重の贖罪が、今日のわたしのなかに、己を罰したい気持ちを巣食わせている‥‥。
 わたしはまた、彼に関わるあることを、ドリーに打ち明けていた。ジャニスやドリーに言えないことをわたしは多く抱えているとしたが、そのうちのひとつを。


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