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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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彼の居ない世界-1

晴れ晴れとした空、気持ちの良い風。私と同じ制服を纏ったクラスメートがお喋りをしながら明るく登校する。

私はいつもと変わりなく杏の待ってる場所へ足を運ぶ。しかし先ほどまで楽しそうにお喋りをしていたクラスメートの表情が曇り出し…。

「おい、アイツ何かやばくねーか?」
「どうしたんだろー、不気味。」

頭上にクエスチョンマークを浮かべつつ杏を見つけ透かさず駆け寄ると。

「あーんなっ!………っ!?。」

私はソレを目にして全身が凍り付いた。クラスメート達の不穏な表情の原因がそこにあった…。

髪は下半身まで伸びまるで放浪者もといホームレスのように手入れがされていないボサボサ頭、しかし私と同じ女子制服を纏い、何よりこの見慣れた背丈は…。

「あ、杏?……、杏、なの?。」

突如妖怪のように変貌した友人に、彼女を指す手の震えが止まらない。

「……おはよう。」
「………。」

伸びきった前髪で片目が見えず、もう片方の目で井戸から出てくる某女のように暗くにらみつけ、小さい声で挨拶をする。

私は、溜まらず瞳に涙を溜め、そんな友人を抱き締める。

「杏ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


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