〈狂宴・後編〉-31
必死の願いを聞いてくれないタムルに、景子は尻肉を擦り付けて“おねだり”を繰り返した。
まだ出血の止まらぬ性器を貫かれる激痛と、まだ姦されてしまうのだという現実に、優愛の心身は悶え苦しんでいる。
その様は、直接に肌を通じて景子に伝わり、悲痛な呻き声と併せて「この男を引き離してくれ」と訴えてきていた。
『さすが麻里子の友達だなぁ?チ〇ポの欲しがりようがそっくりだぜぇ』
「早くッ…お願いぃ!!優愛じゃなく私にッ!!私のケツマ〇コに入れてぇ!!!」
『汚い糞汁つけたケツを擦り付けんじゃないわよッ!!全く……汚いのよ!この変態豚ぁッ!!』
全く景子の願いを聞き入れず、ましてや離れる様子すら見せないままに、タムルは執拗に優愛を姦し続けた。
爪は千切り取られ、牙も叩き折られた女刑事を、まだ許そうともしない。
しつこく陰険な欲望は、過去の景子が犯した非礼を思い返して、ムクムクと膨れていっているのだ。
(だ…誰も……居ないの…?文乃…先輩……瑠璃…子お姉…さん……ま…麻里子……お…姉さん……)
確かにこの地には銭森姉妹が居る。
文乃もこの地に居るはずなのだ。
しかし、芋づる式に拉致された女刑事達は、個別に凌辱されて今や性家畜に成り下がっている。
今や景子と優愛を救える者は存在しては居らず、春奈の願いは、これまでの銭森姉妹のと変わらないままに、消えていくのみ……。
(ま…麻里…子……お姉…さ…ん……)
春奈の目の前にいる景子が、あのモニターの中の麻里子と重なった。
あの恥知らずな振る舞いの原点は、瑠璃子や自分を守る為に全てを捨て去った麻里子の、戦いの連続の果ての姿なのだ、と……。
「ご、御主人様の御チ〇ポ様を下さいぃッ!!ほしッ…欲しいんですぅ!!」
我が身を擲って妹達の防波堤となり、その身体が朽ちるともソレを遂行していたのだ。
自己犠牲すら厭わぬ凄烈な〈愛〉は、麻里子も景子も等しく胸に携えていた……やはり、景子は麻里子だったのだ……。
『煩い変態豚ねぇッ!!貴女が邪魔で優愛をヤレないじゃないの!!』
「がぎッ!?げふぅ!!」
タムルは、ようやく優愛から離れると、立ち上がって鎖を思い切り引っ張って、景子を引き倒した。
部下達は、仰向けにひっくり返った景子を取り囲むと、手足を掴んで押さえ付け、手首と足首に枷を着けていった。
『残念だよなぁ景子ぉ?妹の代わりに親友を売ったのに、結局は助けられねえとはなあ?』
「……ッ!?」
専務の突然の台詞に、景子は呼吸を詰まらせた。
その声色と言葉には、悪意しか見えなかったからだ。
『タムル様、あの巨乳肉便器は、景子の親友なんですよぉ……頼みもしないのにケータイ見せて「イイ女でしょ?コイツをやるから優愛を助けて」なんて言いやがって……』
『やだッ…サイテーな牝じゃないの……』
「ッ〜〜!!!」
捩じ曲げられた事実を、今の景子は否定出来ない。
これ以上、優愛に凌辱が加えられるような事は、ここに及んでも景子には出来ない相談だった。
それよりも、専務に言われるまで静香の事を、景子はすっかり忘れてしまっていたのだ。