サイコパス診断-5
*
目が覚めたとき、部屋は真っ暗で、ベッドにアユミの姿はなかった。
昨夜あのままつけっ放しだったパソコンが、なぜか休止状態にもならず、仄青い画面で部屋を照らしていた。
枕元の時計を見る――午前四時。アユミはどこに行ったんだろう?
もそもそと布団から這い出、部屋の外へ――廊下はシィンと静まりかえって、おまけに真っ暗だった。
アユミの部屋は二階。突き当たりの階段から一階へ――下も真っ暗で、人の気配は感じられない。
階段の右手側には、リビングに続く扉と玄関。リビングから明かりは漏れていないし、玄関の靴も、昨日来たときと同じで三足ある。もちろん、そのうちひとつは俺のだ。
左手側には、トイレと、突き当たりに浴室。昨日あそこでシャワーを浴びたのが、なぜか遠い昔のように思えた。
その浴室の、電気が点いている。
アユミも目が覚めたんだろうか。そして眠気覚ましにシャワーを使っている。にしても、家中真っ暗にしとくことはないだろうに。
少しの違和感と、昨夜の余韻の助平心を抱きつつ、俺は浴室に近づいていった。
脱衣場への扉を開ける。浴室の電気も点いているけど、中から水音が聞こえない。
浴室の扉を開ける。
血まみれのアユミが、恨めしそうに宙を睨んでいた。
「ね。昨日答えたとおりでしょ?」
すぐ後ろから、声が聞こえた。