ミ・ドリ語り(4)-1
コンジャンクションは、歴史書の時代に行なわれていた競技、あるいは儀式で、これを復活させるにあたり、わがオイオでは、やはり、わたしたちのこの豊かな胸を中心にみだらさを魅せ、視聴者の評価をいただこう、という方針が立てられた。
恐らく、スガーニーも同様だろう。一人か、二人か、三人かはわからないが、強力な巨乳女を押し立ててくるに違いない。すでに、一名のおそらく候補の名が、わがオイオにも非公式に入ってきていた。加えて、戦士として参加はしないだろうが、ふたりの女と嫌でも顔を合わせなければならないことも。
わたしたちはそのために、スガーニーに勝利するために、これも長い間封印されてきた技術を用い、あの男を調教士として召還した。
調教士という存在は、歴史時代のコンジャンクションの資料にも頻出しており、いわばセットのようなものという解釈がなされている。みだらさ勝負を競う女たちを鍛える職人‥‥。
また、ルリアさまによれば、そもそもわたしたちは、古来からのコンジャンクションによって胸が豊かに“進化”してきた可能性もあり、調教士の研究はそのためにも重要だ、ということであった。が、しかしそれは、ルリアさまのような知性も豊かな方には、あるいは学問的には興味深い話であるのかもしれないが、わたしは、目の前の
技術的な問題により、召還は一度きりしかできない。その一度の動作で、組み上げた召還装置のメモリの
わたしたちを調教するにふさわしい人材として、無数の候補のなかから、あの男が選ばれた。その世界でアダルトゲームという娯楽が好きであること、乳房、特に大きな乳房が好きであること、性格のよさ‥‥等を条件に絞り込み、召還させたのが彼だった。
しかし――。
わたしはあの調教士に、一抹の不安を覚えてもいた。女体責めプログラムを出してくる割には、どこか、頼りないところが。ルリアさまは、お感じではないのだろうか。
(ルリアさま――‥‥)
わたしは、あの方を、心から尊敬申し上げている。言葉では言い尽くせないほど。その気持ちに、嘘偽りはない。しかし‥‥。
(ルリアさまの裸の胸のふくらみに、窒息するくらいに顔を埋めてみたい!)
(頂点の蕾に思いきりむしゃぶりつき、あの
これらもまた、常日頃のわたしに心中の言葉でもある。わたしは、矛盾している‥‥。
どうも、筆が進まなかった。
わたしは、シャワーを浴びようと思い立った。軍で、高位とは言い難いわたしにも、このマロツィア宮では、嬉しいことに、いちおう個室というものが与えられている。一般の部隊では考えられない待遇だ。
しかし、わたしの個室にシャワールームは備わっていない。これは、そもそもこの王宮にはそのようなものを備えている個室自体が数少ないという事情もあり、別に不服はない。例えば、あのジャニスさまなどは、シャワールームどころか、個室・私室と呼べるものさえいただいていないと聞く。わたしのいまの待遇は、感謝しこそすれ、不満に思うようなことではない。
わたしは、いくつかある共用シャワールームに行こうと、その利用状況をオーガンカードで調べ始めた。ルリアさまを想ううちに濡れてしまった
昨夜は、そんなふうに過ぎた。