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盲目
【片思い 恋愛小説】

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盲目-1

−−また、片思いになっちゃったね。


彼女と知り合ったのは友達の紹介。時は昨年夏休み終盤。
後々聞いたところ、初めて会った時点で彼女は僕に好意があったという。

アドレスを交換して半月、電話で「好きです」と言われた。
しかしその時僕は、片思いの真っ只中だった。同じクラスの人が好きだった。
それを正直に言うと彼女はこう言った「あなたの片思いが失敗するか成功するか、決着がつくまで諦めないよ」と。
時は流れ、年は明け、学年が変わった。
4月中旬、僕の好きな人には恋人ができた。僕の親友。
あまりショックがなかった。
なぜショックがないのかこの時気付いていれば、まだ遅くなかったんだ。
忙しくて彼女に連絡をとることすらできていなかった。

彼女からもメールを送ってこなくなった事、電話をかけてこなくなった事から、予測はしていた。

5月初めGW初日。
彼女から電話があった。
「29日に、彼氏できたんだ。ごめん、私、逃げちゃった。寂しいのは、堪えられないよ。あなたが好きだけど、あなたに甘えるわけにもいかないでしょう?」
彼女の声は震えていた。僕は応える。
−彼氏ができた−−−あぁ、おれフラれたんだ。ふぅん…ははは…なんだそりゃ
僕も泣いていた。
否、気付いたら涙が出ていた。止まらない。
−俺、好きだった子諦めたんだぁ。それに今気付いたけど、もう好きじゃなかったみたい。
−そうなんだ…あなたが泣かないでよ…泣きたいのは私だよ…
−お前に惚れてるの気付かなかったよ。それにもう遅いもんなぁ。
−まだ好きな気持ちは変わってないよ。別れるの待っててくれたらいいじゃんかぁ…わがままだよね…
−…待つよ。待ってる。

最後に、彼女は言った。
−−あなたはまた、片思いになっちゃったね。
そう、僕は今、片思いをしている。


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