よみがえりの木-7
「さあ、お茶も淹れなおしたから、気分直しに食べて。わたしったら、いつまでもひきずって……情けないね」
「ううん、そんなことない。でも、ほんと、いつか彼が帰ってきてくれるといいね」
力無く肩を落とす蘭の肩越しに、ちらちらと美奈がさっきの鉢植えを気にしている。
彼女の考えは、手に取るようにわかった。
まさか、蘭が彼になにかして、埋めちゃったわけじゃないよね?
その目は、ぼんやりとした疑惑をはらんでいた。
ふふ。
……笑える。
ふたりとも、馬鹿みたい。
よみがえりの木、なんてあるわけないじゃない。
それに、甘えっ子の蘭に、彼をどうにかすることなんて、できるはずもない。
メイは甘すぎる紅茶を啜りながら、自身の腕の中で息絶えた、高原和輝の最期を思い出していた。