第39章 あなたは他人に対する思いやりが欠落したサイコパスなのかしら?-1
夜中過ぎまで、ひたぎは水晶の愛をその体で確かめた。そして、水晶が落ち着くのを待って昴を呼び付けた。水晶の偽りのない愛を確かめたことで、ひたぎの怒りは更に強いものとなっていた。昴を呼び付けるひたぎの強い口調に昴は慌ててひたぎの元に駆け付けた。
「昴。遅いわよ!」
昴が息を切らしながら声を絞り出す。
「これでも自転車を精一杯飛ばして来たんだ」
「水晶に何をしたの!」
「どうゆうことだ?」
水晶を傍に置いていたことが知れ、そのことを怒っていると思っていた。しかし、ひたぎの怒りは違っていた。
「罪悪感も後悔の念もなく、人の期待を裏切り、自分勝手に欲求を満たす。あなたは、他人に対する思いやりが欠落したサイコパスなのかしら?」
「・・・・・」
「水晶があなたを愛していることを知っていながら、水晶に何をしたかと聞いているのよ!」
「あああ・・・」
「あなたは水晶を道具として使ったの。自分を愛していることをしっていながら、それを無視して、他の女に対する性欲処理を手伝わせていたのよ!」
ひたぎの平手が、昴の頬を激しく叩く。
「あなたは水晶の気持ちを踏みにじった。水晶が許しても、私はあなたを許さない。償いをしてもらうわ!」
ひたぎの言葉は、これまで以上に激しく怒りに震えていた。
「!!!!!」
ひたぎが水晶を抱き寄せる。
「水晶、答えなさい。あなたは昴にどうしてもらいたかったの?」
「水晶は・・・ただ昴さまに、水晶の体を使って楽しんで欲しかった・・・」
「なんて健気なの・・・あなたの願いの全てを叶えることはできないけれど、昴の愛を一晩だけあなたに帰してあげる。いつものように昴になさい。但し、昴の心をあなたで満たしてするのよ。昴に水晶の名を呼ばせ、水晶の体を求めさせて、水晶への思いを弾けさせるの。それから、正直に全てを話してくれたご褒美よ。今日は特別に昴とのキスを許してあげる・・・その代わり、しばらくはもう昴の体に触れることは許さないわよ。いいわね?」
水晶が頷くと、ひたぎは水晶を抱きしめたまま、昴を振り返る。
「昴。私の前で、いつも水晶としていることをしてみせなさい。但し、水晶を思ってするのよ。一度や二度じゃ許さない。精が枯れ果てて放出するものがなくなるまで、気持ちの全てを水晶に向けて吐き出すのよ。それが水晶に対するあなたの償いよ。それから、今日は特別に水晶の体に指で触れることを許してあげる。水晶の気持ちを受け止め、それに応えた上で、水晶の体も満足させなさい。いいわね?」
「さあ、はじめるのよ!」
水晶がひたぎの瞳をもう一度見詰める。ひたぎが水晶に応えるようにゆっくりと頷いた。水晶がひたぎの元を離れて昴に歩み寄る。ひたぎはベッドから少し離れた椅子に掛け二人を見守った。
水晶が昴の手を引いてベッドへ上がる。二人でベッドへ座り込む。
「昴さま。とても緊張していますね?」
「ああ、水晶には本当に悪いことをしたと思っている。だけど、どうすれば良いのか分からない・・・」
「ひたぎさまのお許しが・・・いえ、ひたぎさまのご命令が出たのです。水晶を思ってしてくれますか?」
「ああ、水晶がそれで良ければ僕は良いよ」
「十分です。初めますよ」
水晶が、二つの枕を重ねてベッドの中央に縦置きに置いた。
「昴さま、枕を水晶だと思って抱きしめて下さい」
昴が枕に体を重ね、両腕を回して抱きしめる。
「お尻を上げて下さい。いつものように高く捧げて・・・」
昴が枕を抱きしめたまま、膝を立て尻だけを高く捧げる。水晶は、昴の持ち上げた尻を後ろから抱え込み、太ももの前から腕を回して、昴のペニスを握り締めた。