作-4
「山崎ひどい」
「5歳でも知ってる事をいってるだけ」
「・・・・」
「で?ここに何しに来た?」
「・・・・」
「慰めてほしいのかよ?そのうちドキドキするだろ?って言ってほしいのか?」
「・・・・」
うっすら涙目になって俺を睨む。
俺を睨め。
俺を嫌いになれ。
俺を軽蔑しろ。
もう、何かあった時に俺のところに来るな。
頼むよ―――
「それとも何?俺にドキドキするキスをしてもらいたい?美咲ちゃん?」
そう言うと井上の顎を持ってクイっと顔を上向かせた。
「・・・・」
「あ?何か言えよ」
ひどい事をいってると分かっても
もう止められなかった。
「ここに来た意味を言え」
井上はじっと涙をためた目で俺から視線を外さなかった。