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爛熟女子寮
【学園物 官能小説】

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爛熟女子寮(4)-5

 ノックの音に慌てて飛び起きた。
(誰?)
誰もいないはず……。
「あたし……」
サリーだった。
「いいかしら」
「うん、どうぞ」
ちょっと息が弾んでいたから悟られまいとわざと笑ってみせた。

「みんな上に行ったみたいね」
手足が長くて小顔。しなやかな黒髪が肩にかかって光っている。とても美しい。顔ももちろんきれいだけど、気品がある。まるで外国の王女さまみたいだと改めて美貌に感嘆した。茶がかった瞳はアニメのヒロインのように輝いている。

「まだお風呂一緒に入れないね」
生理期間のことを言うと、サリーは意味ありげな笑いを笑いをみせてから、
「うん。1人で早めに入った」
日本生まれのに日本育ちだから言葉は私たちと変わらない。
「佐伯さん、先週、下條さんと一緒だったのよね」
「え?」
言葉が詰まって顔を見合わせた。美和子に秘密と言われていたからつい言い淀んだのだが、知っているようだ。まだ付き合いは浅いけど、彼女はじゃっきりものを言うタイプである。

「どうだった?下條さん」
「どうって?」
「テクニックとか、感じ方とか」
「さあ……」
さすがにすぐには答えられない。
「だってセックスしたんでしょ?感じたかどうかよ」
あまりにテンポよく直截的な質問なので苦笑して首をかしげた。だがその仕草は結果的に肯定したことになる。

「あたしは白幡さんだった」
「そう……」
私はちょっと迷ってから、思いきって訊いた。
「あなたはよかったの?」
「よかったわよ。彼女、すごく激しくて」
(まあ……)
逆襲したつもりはなかったけど、いとも簡単に返事をされてびっくりした。おかげで開き直ることができた。
「激しかったんだ」
「うん。彼女、ディルド使うからね」
「ディルドって、何?」
「知らない?ペニスの形したやつ」
それから説明を聞いてようやく思い描くことができた。女の道具、芸能週刊誌か何かで目にしたことはあるけど実物は見たことがない。

「へえ、ディルドっていうんだ」
「彼女、それが好きみたい」
「それ、どうするの?」
「入れるのよ」
あまりに呆気なく言うので私は口を押さえて噴き出した。サリーは平気で続ける。
「入れる前に、舐めたり、擦りつけたり、男性を想像したりして、人それぞれ使い方はいろいろみたい」
「詳しいのね。それで、入れたの?」
「うん。2人で交替でね」
「ほんと?」
平然と答えるサリーを見つめながら、2人が割れ目に『ディルド』を押し込む光景を想像した。

「痛くないの?」
「十分濡れていればね。シリコンで出来てるから弾力のわりに柔らかいの。けっこう大きいのよ。20センチ近くあるかしら」
先生のペニスを思い出していた。その半分くらいしかなかった気がする。
「そんなもの、どうしたのかしら」
「前からあったんだって」
「前から……」
「白幡さんの言うには、下條さんが入学した時には先輩が持ってて、その先輩も受け継いだものらしいわ。下條さんも一つ持ってるみたい」
話を聞いて何だか不気味な想いに捉われた。その『ディルド』はいったい何人の女の秘部を貫いたのだろう。それぞれ微妙に異なる淫臭と蜜に塗れて快楽を沁み込ませ、より若い乙女へと手渡されていったことを思うとあまりいい気持ちはしない。

「下條さんは使わなかったわ」
「あの人はオーラルが好みらしいわ。一人で使ってるのかも」
私は由希と玲奈が絡んでいる姿を思い浮かべた。時間的にはその真っ最中のはずである。
「白幡さんって、おしゃべりよ。いろいろ情報くれたわ」
この日玲奈を呼ぶことも一昨日から決めていたという。そして美和子の相手が絵理だということも知っていた。

「だからあたし、あなたと2人になれると思って」
何か意を含めたような目を向けた。
「?……」
言っている意味がわからず、彼女の目を窺った。
「あのね、あなたと楽しみたいから嘘ついてたの」
実は『生理後3日』はすでに二日前に終わっているという。
「そうすれば先輩から声はかからないでしょう。生理かどうかなんて調べはしないしね」
「そうだったの……」
「そうよ。だから、いいでしょう?佐伯さん」
サリーは嫣然と微笑んだ。
「だって、昂奮しちゃうわ。白幡さん、三田さんにディルド使ってみるっていうじゃない。彼女のバージン、今夜奪われるかも」
「ちょっと、なによ、それ、ひどいわ」
「無理やりすることはないと思うわ。三田さんが望んだらの話よ」
それにしたって、そんな器具で……。

「バージンなんてないほうがいいのよ。思いきって楽しめるし。いずれ失くすものなんだから。つまらない男にあげて後悔するよりいいんじゃない?」
サリーはあっけらかんと言う。
「あたし、Hの経験けっこうあるけど、バージン失くしたのはディルドだったのよ。だから三田さんのことを想像するとよけい昂奮するの」
「ディルドで?誰にされたの?」
「自分でよ」
自分で自分のバージンを?
 理解するためのとっかかりが見つからない。自然に破れてしまうこともあるらしいけど、サリーの場合はちがう。

「持ってるの?」
「ママが持ってる」
「だって、お父さん、いるんでしょう?」
「2人で使うことだってあるのよ」
両親が留守の時にたまたま見つけて、オナニーで擦りつけているうちに弾みで入ってしまったのだと他人事のように話した。
「ヤバイって思った時にはもう……」
勢いで半分近くまで入ってて、はっきり痛みが走った。
「でもね、あたし、しばらくそのままでいたの。入ってるところを見てたの」
「へえ、すごいわね……」
他に言いようがない。
 サリーは私にぴったり寄り添ってきた。
「その後は男の人とセックスしたけど楽だったわ。無駄な力が入らなくて」
(無駄な力って……)
だけど、玲奈……。何もないことを祈った。


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