爛熟女子寮(3)-5
確かなときめき。……唇が触れる瞬間、少し口を開く。
美和子の舌が入ってきて、贈物のグミを受け取った。そのまま舌が絡んできてグミはとろりとろりと移動する。私は彼女にすがるように体を預けて胸に包まれていた。
甘い……。グミの甘酸っぱさとは異なる味がした。美和子とのキスに酔いしれてそんな気がしたのかもしれない。
私がグミをお返しして、また届けられる。何度か繰り返しているうちに強く吸い合い、抱き合い、ベッドに倒れ込んだ。
(ああ……)
グミは溶けてしまったのか、飲み込んだのか、なくなっていた。
気が付くと私が上になっていた。
(どうしよう……)
一瞬、我に返ったが、美和子に抱きすくめられてそのまま体を重ねていった。
乳房がくっついて温かな温もりの膨らみが私の乳房をやんわり埋め込む。
(ああ、いい気持ち……)
脚を絡ませ、どちらからともなく頬を擦り合わせて甘い息を洩らした。
「志乃ちゃんって呼んでいい?」
「志乃でいいです……」
美和子の指が背骨に沿って下がっていく。そして尾骨の辺りで止まった後、お尻のクレバスにすっと入ってきて、直に蕾を圧した。
「あ、先輩」
「美和子でいいわ」
「……美和子さん……」
「二人の時だけよ。志乃……」
「はい……」
秘密がまた増えた。
クレバスの指がさらに下がって、割れ目に触れてきた。
「あ、そこは……」
「いや?」
「いえ……」
「あなた、経験あるんでしょう?」
いきなり囁かれて私は顔に熱を感じた。
「はい……わかるんですか?」
「何となく。杉本さんもそうみたいね」
サリーは私もそんな気がしていた。艶やかな色気、お風呂での感じ方、それにあのボディなら男は寄ってくるだろう。
「いくつの時なの?」
「半年くらい前です」
話しながらも美和子の指は絶えず亀裂を上下して、何度かクリトリスをクリックしていく。私はその度に突っ張って、ぴったりと合わさった乳房をさらに押し付けた。
「どんな感じだった?」
「よくわからないんです。はっきりとは……」
満たされなかった先生との一夜が思い出された。
「男性は一方的なところがあるものね。気持ちが一致しないと難しいのよね」
美和子の指の動きが小刻みになった。
(ああ、体の芯から何かが盛り上がってくる感じ)
「女はやさしくして欲しいでしょう?」
「そうなんです。やさしく、ゆっくりと……」
「してあげるわ。志乃……」
耳元で囁かれた言葉と吹きかかる息の刺激で私は参ってしまった。
今度は美和子が上になった。
「オーラル、抵抗ある?」
私は首を横に振ってから、ちょっと震えがきた。
(舐めるんだ……)
美和子はまず、両手で私の乳房を中央に寄せると、揉み上げながら乳首を口に含んだ。
「あ、ああ……」
たまらず胸を迫り上げて美和子の頭を抱えた。舌と唇の加減が絶妙で、すべすべのシルクに被われたような、えもいわれぬ感触が快感を生んで広がっていく。完全に泉が溢れた。
唇は左右の乳首を交互に愛撫して、時には舌先で弾いたり、押し付けてきたりした。私の脚は美和子を挟みつけていた。
「感じる?」
「はい……とっても……」
答えるのもやっと……。
「濡れた?」
「……すごく……」
「あたしもよ」
会話を交わしているだけでつぎつぎ絞り出されてくる。
「二人でしましょう」
美和子が向きを変えてお尻を見せたことで意味がわかった。初めての体験となる。
どきどきする間もなく私の顔を跨いで真っ黒な繁みが迫り、腰を落とすとぱっくりと扉が開いた。
(すごい!)
ぐっしょり濡れた秘口。
「あ!」
じっくり見る前に美和子の舌が私の秘核を捉えた。
「ああ!」
きらきらときらめく快感。
「ああ!だめ!感じる!」
「声を小さくして」
言われてぐっとかみ殺す。
それにしてもその気持よさときたら、神経が麻痺してしまいそう。まるで針のように細くて、鋭利な『快感のファイバー』が性中枢を貫き、先端が脳にまで突き刺さったイメージであった。あまりのことに怖くなったくらいだ。
体を沈めてきた美和子の女陰が鼻先にきていた。割れた内部は泡立った蜜が満ち溢れて周囲の陰毛はべっとり濡れて土手に張り付いている。
(舐めないと)
自分の役割をすっかり忘れていた。
充血した様相のクリトリスは珠玉の光沢を放っている。そこをめがけて舌を伸ばしてちろちろと弾いた。
「くっ……」
美和子の体が強張って、きゅっと肛門が縮んだ。いったん収縮した陰部はすぐに粘着音とともに割れ、被さってきた。
「うう……」
美和子の苦悶の声。やさしくも濃厚で甘美なせめぎ合いが始まった。
それからのことはよく憶えていない。ただひたすら、夢中で襞の中へ中へと口先を埋め込んでいた気がする。
知らないうちに何度か体勢が入れ替わったらしく、声を押し殺して果てた時には私が上になっていた。
「イク……」
ほぼ同時に美和子の性器が収斂して痙攣が起こった。
「うう……」
「あう……」
呼応する二人の呻き。……
経験のない虚脱状態であった。美和子の上にのったままだからどかなければならないと思うのに、すぐに動けない。力が抜けただけではない。体の中で遠雷のように微かな快感がいつまでも続いていた。
しばらくしてようやく起き上がった私に、美和子の手が伸びてきて包むように抱かれた。そして胸を合わせてキス。……淫臭がほんのり漂った。
「志乃、二人だけの……いいわね」
「はい、美和子さん」
ブラジャーを着けていると美和子がホックを留めてくれた。視線を背中に感じてとても心が熱かった。