不思議な告白!?-2
「………ええぇぇぇぇぇ!!!」
「やっぱ、信じてくれないよな……」
「ち、違う!俺は信じる。それより、こんな俺でいいのか?」
「ああ、助けてくれたとき知広が見せた笑顔。あれにアタシも、桜も、梢まで惹かれたんだ。だから、三人の中から一人選んで付き合ってくれ!」
「へっ?どういう事……?」
「つまり、アタシ達三人共お前が大好きだ。けど、三人全員は無理だろう?だから、三人の中からお前が一番好きになった奴を選んで欲しいって事だ。」
「…………」
数秒間のタイムログの後、俺の脳内コンピューターがやっと、事態の大きさを理解した。
「ええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「お前、さっきから叫んでばかりだけど大丈夫?」
「いちような。少し喉が痛いけど…」
「で、誰を選ぶんだ?」
どうしよう。実は恥ずかしながらこの桐生知広、今までに付き合った女性は0人。告白は二回、結果は惨敗……よって、こういう場合どうしたらいいか全く分かりません(泣)!(美人の多重人格者に告白される場合なんて、滅多にないが…)どうしよ〜、素直に言った方がいいよな?
「あのさ、俺実は、未だ女性と付き合ったことが無くて…それに葉月達の事あんまり知らないし……」
「じゃあ、ダメ…ってことか…?」
「いや、ダメって訳じゃないんだけど、なんて言うか時間が欲しいって言うか………」
「それなら、とりあえず一ヵ月。一ヵ月付き合ってみて答えを出すってのはどう?」
「分かった。とりあえずそうしようか。」
こうして、俺に不思議な彼女が出来た。
ピピッ、ピピッ、ピピッ、……
なんだ…目覚ましか…後…五…分……ぐぅ〜……
「グッモーニーン!おはよ!知広♪」
バッチィィン…
「痛っってぇ!なんだ!」
「おはよ!知広。」
「やっぱり、梓かぁ…」
これが、俺の慌ただしい朝。今のありえないほどの痛みの正体は、梓のデコピン。通称、マグナム。付き合って三週間くらいになるが、梓のマグナムは容赦をしらねぇ。
「ふむ。梓のマグナムの威力は落ちてないが、知広の額の耐久度はあがっているな。」
「観察日記付けてないで、梢からもマグナムはやめろって言ってくれよ!」
いつの間にか梓から梢に代わっていた。
梢はと言うと、毎日、観察日記のように俺のことをノートに書き記している。
「それは無理だな。第一、おもしろ…コホンっ…梓は私じゃ止められん。」
「お前、今おもしろいって言いかけただろ…」
「気のせいだ。それよりも桜が朝ご飯作ってくれたぞ。早く、食べに行くぞ。」
「ったく。誤魔化すなよ。」
キッチンでは、朝ご飯が暖かい湯気をたてて主人を待っていた。
「悪いな。桜。今日はいいって言ったのに。」
「い、いえ…。知広さん気持ち良さそうに寝てましたから…。それより、早く食べないと遅刻しますよ。」「ああ。そうだな。いただきます。」